2022 Fiscal Year Research-status Report
へき地医療拠点病院に入院する離島在住高齢者の退院支援
Project/Area Number |
22K11210
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Research Institution | Okinawa Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
田場 由紀 沖縄県立看護大学, 看護学部, 教授 (30549027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂川 ゆかり 沖縄県立看護大学, 看護学部, 助教 (00588824)
光来出 由利子 沖縄県立看護大学, 看護学部, 助教 (40848024) [Withdrawn]
山口 初代 沖縄県立看護大学, 看護学部, 准教授 (70647007)
大湾 明美 沖縄県立看護大学, 保健看護学研究科, 名誉教授 (80185404)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 離島 / へき地医療拠点病院 / 高齢者 / 看護職 |
Outline of Annual Research Achievements |
島の退院支援を支える専門職活動の一つとして、A島の認知症初期集中支援チームの活動について把握した。インタビュー対象は、認知症初期集中支援チーム5名である。役割を果たすために活動で工夫していることついて面接調査を実施した。その結果、三つの活動のタイプが明らかになった。①地元出身者が実践する地域文化に根差した活動:「長い保健師活動を通して、役場職員や住民から、様子がおかしい人の情報が入り、自然と課全体でも共有できる。保健師が直接確認することもあれば、課の担当者が気にかけて見守ることで、様子の変わってしまった住民をスクリーニングしている。」などがあった。②島外出身者が地域文化を取り込んだ活動:「地元出身者はチーム会議で、認知症の疑いのある人の生活の様子や介入方法へのきめ細かい配慮を提案していたので、外来の未受診者リストから介入する際は、地元出身者からの情報収集を加えて働きかける方法を工夫する」などがあった。島外出身者は、地元出身者の活動から、「なじみの他者」がもつ事例情報の有用性を学び、自らの活動にも地元出身者を効果的に活用していた。③地元出身者と島外出身者が地域文化を取り込み協働した活動:「事例が地元出身の専門職に強硬的で、同時に県外者には遠慮があるなどの個性があるときは、看護師であることと島外出身者であることが事例に伝わるよう強調しながら、地元出身保健師の関係の限界を支える」など相互補完的な介入も行っていた。A島の認知症初期集中支援チームの活動には、地域文化が活かされていた。生活を共有してきた「なじみの他者」という、当事者の“つながり”を支援に取り入れ、個々のアウトリーチ力、チームのアウトリーチ力を強化していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響があり、病院でのインタビュー調査は実施できなかった。しかし、退院支援看護師が協働する地域の看護活動を把握することができ、研究を水死寝きるめどが立っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、へき地医療拠点病院の退院支援看護師の内諾も得られており、計画が推進できる見込みがある。
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Causes of Carryover |
使用額の大半は旅費を計画していたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、Web面接での対応となったため、未使用額となった。新年度は、渡航による面接、地区踏査が可能となることから、当初予定の旅費使用を計画している。
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