2022 Fiscal Year Research-status Report
介護老人保健施設の独自性を生かした看取りケアを推進するプログラムの開発
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22K11215
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
湯浅 美千代 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (70237494)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 看取り / 介護老人保健施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、病院と施設の中間的な位置にある介護老人保健施設の特質をとらえ、その機能を活かした独自の看取りケアを創出することを目的として開始した。令和4年度は、介護老人保健施設における看取りケアの現状と課題を明らかにすることを目的に、全国調査を行った。2022年5月~7月に無記名自記式の質問紙調査を行った。全国老人保健施設協会に登録している3600施設より、2000施設を抽出し、郵送法にて施設の看護師に回答を依頼した。分析は、年間の看取り件数が0件(A群)、1~10件(B群)、11件以上(C群)に分けて比較した。 その結果、329施設から返送(返送率16.5%)があった。年間看取り件数が記載された回答257について分析した。A群が40(15.6%)、B群が109(40.4%)、C群が108(42.0%)だった。この3群に共通する課題は、「職員教育が不十分」だった。A群のみ「体制が整っていないこと」を多くあげていた。工夫していることやうまくいっていることとして、B群で多くあげられたのは「家族との信頼関係」だった。C群では「職員教育」「職員間の連携」「ケアの質」が多かった。施設での看取りケア推進の課題は、看取りケアの体制を整えることと職員教育や連携の強化であると考えられた。また、自由記述より、回答者は看取りに関する自己研鑽を行っているほか、職場での研修会開催、相談できる専門職の存在などで看取りケアの質向上を図っていた。 今後、介護老人保健施設の看護管理者や各職種が認識している課題や取り組みに関する文献から介入方策を検討する。また、介護老人保健施設に配置されているリハビリテーション職の看取りにおける役割や実践内容について、インタビュー調査を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
全国調査は年度当初に実施する予定であったが、倫理審査の結果が出るのが予定よりも1か月遅かった。また、結果の分析に予定よりも時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、介護老人保健施設の看護管理者が認識している課題についての文献を集め、研究協力者とともに介入方策を分析する。また、介護老人保健施設に配置されているリハビリテーション職の看取りにおける役割や実践内容について、インタビュー調査を行う予定であり、研究協力者と共に準備を進めている。
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Causes of Carryover |
本研究で使用する予定であった封筒印刷や返送料金が本経費から拠出できなかったため、大学の個人研究費で支払った。また、次に実施するインタビュー調査が遅れたため、インタビューにかかる経費の使用ができなかった。
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Research Products
(1 results)