2023 Fiscal Year Research-status Report
介護老人保健施設の独自性を生かした看取りケアを推進するプログラムの開発
Project/Area Number |
22K11215
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
湯浅 美千代 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (70237494)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 看取り / 介護老人保健施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、病院と施設の中間的な位置にある介護老人保健施設(以下、老健)の特質をとらえ、その機能を活かした独自の看取りケアを創出することを目的として開始した。令和5年度は、令和5年度に実施した全国調査について、主に選択式での回答結果をまとめ、国際学会で発表し、論文として投稿した。また、自由記述式での回答結果について質的帰納的分析を行い、老健の看護師が捉えている看取りの課題、工夫している点・うまくいっている点、自身が取り組んでいることについて、発表する準備をしている。 当初我々が想定した以外の課題として、「看取りケアへ移行するタイミングの難しさ」「コロナ禍の影響による家族へのケア不足」などが挙げられた。工夫している点・うまくいっている点では、「職員の負担軽減」「コロナ禍での面会方法の工夫」などが挙げられた。自身が取り組んでいることでは、「自己研鑽」のほか、「看取り体制の整備」や「利用者と家族へのケアの質向上」のためのさまざまな内容が挙げられた。 令和5年度には新たに、老健に配置されているリハビリテーション専門職、すなわち理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)の計12名にインタビューを行った。各職種ともそれぞれの技術を活かして苦痛の緩和と予防、生活の維持のためのリハビリテーションを行っていた。これは、通常の業務の連続上にあり、特別なものとはとらえていないという語りもあった。また、医療的な面では看護職との連携を行っていた。そして、在宅と施設を行き来する利用者と家族に長期間関わる中で、施設の看取りに至ることが語られたほか、コロナ禍前には在宅での看取りを支援していたことも語られた。一方、病院から看取りの時期に入所され、短期間しか関わることができなかった利用者については、関わりが難しいとも語られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
全国調査の分析、発表のための準備に時間がかかった。リハビリテーション専門職へのインタビュー調査にあたり、予定の対象者数を得るまでに時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
全国調査およびインタビュー調査の結果を統合し、介護老人保健施設における看取りケアモデルを作成する。このモデルに対する意見や現状について、介護老人保健施設の施設長、看護職、リハビリテーション専門職への調査を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査を実施したが、12名中、9名はオンラインで実施することとなった。また、発表を行った国際学会も国内開催であり、遠方ではなかったため、想定していた交通費を使用しなかった。データ整理に予定していた人件費も、研究協力者が行ったため、使用しなかった。これらのことから、経費を抑えることができたため、次年度使用額が生じた。
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