2023 Fiscal Year Research-status Report
IT技術を活用し高齢患者から患者報告型アウトカムを簡便に収集する方法の開発
Project/Area Number |
22K11240
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Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
宮下 真子 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 准教授 (70765429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 光令 東北大学, 医学系研究科, 教授 (90301142)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 患者報告型アウトカム / 音声認識 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
患者報告型アウトカムとは、痛みなどの身体症状をはじめとした精神症状、社会的な問題などを患者から直接聞き取ることである。高齢者からの患者報告型アウトカムの取得は身体機能や認知機能の低下により、聞き取り形式を取らざるを得ないことが多く、医療者の負担などが臨床現場における実装のハードルになっている。本研究ではタブレット型端末とIT技術を駆使した新しい患者報告型アウトカムの取得方法を開発を目指している。 2022~2023年度は主として音声認識技術について検討した。患者報告型アウトカムとしてはIPOS(Integrated Palliative Care Outcome Scale)を用いて、健常人を対象としたパイロット調査後に診療所や高齢者施設でリクルートした高齢患者100人の症状聞き取りの録音データを収集した。2023年度は録音データの下処理を行ったのちに、自然言語処理技術および人工知能の技術を組み合わせて、その判読性能を分析した。これはわが国で初めて、臨床現場で取得した患者と医療者の緩和ケアに関するPRO尺度についての会話音声データを用いて、音声認識及び機械学習による全人的な苦痛を判別するモデルを構築したものである。2023年度の主な知見は2点ある。第1に、既存の音声認識ソフトウェアの音声認識率は75%程度であり、訪問診療環境においてはまだ改善の余地があることが明らかになった。第2に、構築した機械学習モデルの性能は全ての症状項目でF値が0.5以下であり、性能がまだ不十分であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究スケジュール的には予定どおり進行しているのであるが、成果が不十分である。既存の音声認識ソフトウェアの音声認識率は75%程度であり、訪問診療環境においてはまだ改善の余地があるまた、構築した機械学習モデルの性能は全ての症状項目でF値が0.5以下であり、性能がまだ不十分である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究ではGoogleによって開発されたVertex AIのAuto-MLを使用したが、構築したモデルは全ての症状判別に対するF値が0.5以下であった。2024年度はAuto-ML以外の方法でモデルを構築することで、性能が高いモデルの構築に挑戦したい。
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Causes of Carryover |
研究スケジュール的には予定どおり進行しているのであるが、成果が不十分である。既存の音声認識ソフトウェアの音声認識率は75%程度であり、訪問診療環境においてはまだ改善の余地があるまた、構築した機械学習モデルの性能は全ての症状項目でF値が0.5以下であり、性能がまだ不十分である。このため音声認識率の改善と性能向上のために、次年度も予算を使用する。
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