2023 Fiscal Year Research-status Report
院内で両立支援を行う相談員の支援困難感を解消する支援ガイドの開発と有効性の検証
Project/Area Number |
22K11244
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
古屋 佑子 東海大学, 医学部, 助教 (80880260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立道 昌幸 東海大学, 医学部, 教授 (00318263)
深井 航太 東海大学, 医学部, 講師 (00813966)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 治療と仕事の両立支援 / インタビュー調査 / 就労支援 / 支援経験 / MSW / 両立支援コーディネーター / 支援困難感 |
Outline of Annual Research Achievements |
過去の治療と仕事の両立支援に関する資料や論文、両立支援コーディネーター研修資料から、医療ソーシャルワーカー(以下、MSW)の経験に関するインタビューガイドを作成し、機縁法により、11名のMSWに対してインタビューガイドを用いたインタビュー調査を実施し、治療と仕事の両立支援における支援経験について言語化した。 両立支援の経験を語ることができるMSWを対象者を抽出するため、①医療機関で3-5年以上治療と仕事の両立支援に関する相談経験があり、②複数件以上の復職支援ケースを持つ(医療機関規模やケースの状況改善の有無は問わない)MSWをインタビューの対象者として定義した。医療機関における仕組みや体制が存在する、治療と仕事の両立支援の経験値がより高いMSW 6名にインタビュー調査を実施したあと、追加インタビューを5名のMSWに実施した。追加インタビューの対象者は医療機関における支援の仕組みや体制づくりが行われていない医療機関のMSWがほとんどであり、支援開始当初は手探りで、そこから院内・院外でのネットワークを構築することなどを実施していた。多くの医療機関では、退院支援に多くのMSWのリソースが割かれていることもあり、医療機関の仕組み作りを行った経験は、多数のMSWの治療と仕事の両立支援の推進に役立つと考えられた。 なお、1回目のインタビューの対象者および追加インタビューの対象者は、実施数よりも多くの対象者に依頼していたが、それぞれ3名の対象者から「適格条件に当てはまらない」との回答があり、インタビューを辞退されたため、合計の対象者は11名となった。しかし、インタビュー調査から聴取できた内容により飽和点に達すると判断されたため、更なる追加インタビューは実施しなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
1年目に代表者の産休・育休の取得があったため、全体として遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
医療ソーシャルワーカー(MSW)が治療と仕事の両立に関する支援行う際に困難だと感じる項目として、患者の仕事の内容に関する項目、病状に関する項目、が共通項目として抽出された。今後は本インタビューにより抽出された項目から、支援困難感尺度の開発を行う。 開発された支援困難感尺度は、作成しだいアンケート調査により有用性検証を行う。 またシェアードディシジョンメイキング(SDM)手法を用いて、支援ガイドを作成する。
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Causes of Carryover |
研究代表者の産休育休の取得があったため、研究が遅れており、実施予定であった支援困難感尺度の有用性検証のためのアンケート調査、および支援困難感尺度とシェアードディシジョンメイキング(SDM)手法によるガイドによるパイロット研究を当該年度に実施できていないため。今後、支援困難感尺度は早急に開発し、有用性検証のためのアンケート調査を行う。
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