2022 Fiscal Year Research-status Report
高齢者看護のための色彩情報を用いた共感覚提示システム「感覚ものさし」の構築
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22K11248
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
堀井 千夏 摂南大学, 経営学部, 教授 (00273863)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 色彩情報処理 / 高齢者看護 / 複合現実感 / 共感覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、加齢変化やさまざまな疾患を抱える高齢者の状態を看護者が直感的に把握することが可能な共感覚提示システムを提案する。高齢者の身体的な不快感や食事の味覚に注目し、感覚情報を相手に伝えることが容易ではないといった問題を解決するために、高齢者の基本感覚や食事感に対する連想色の算出、カメラおよびスマートグラスを用いた感覚や食事の領域特定、システムとの対話による感覚状態の推定、これらを統合的に提示する複合現実感環境の構築を試みる。初年度である今年度は、まず、5種の不快感(痛み、痒み、しんどさ、熱さ、寒さ)、および食事における7種の基本味覚(甘味、酸味、塩味、苦み、旨み、渋み、辛味)を基本の感覚ワードとした感覚の定量化を提案し、感覚情報と色彩の関連性をデータベース化するために必要な感覚ワードに対する連想情報の抽出を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の実施計画に従って令和4年度の計画通り、感覚情報と色彩の関連性をデータベース化するために、人の基本的な不快感および味覚の指標を明確にし、この指標から連想される情報について調査および研究を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方策として、まず次年度は、不快感および食事に関する位置情報の抽出、視覚特性を考慮した複合現実感環境の構築を計画している。更に令和6年度以降からは、高齢者の不快感および食事感の色推定、共感覚提示システムの統合と評価に関する研究を順次実施する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて学会大会がオンラインで実施され、予定していた旅費を執行しなかったことで次年度への繰越金が生じた。今後の対面による大会開催については現時点で明らかになっていないが、次年度の請求分に加えて旅費等の研究活動費として使用する予定である。
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