2022 Fiscal Year Research-status Report
災害下における訪問看護事業継続のための相互支援連携体制構築ガイドラインの開発
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22K11262
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
村川 奨 札幌医科大学, 保健医療学部, 助手 (40882626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 泉 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (90431311)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 訪問看護 / 災害 / 組織間連携 / BCP |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は災害等の緊急事態下において、地域として訪問看護サービス提供体制を維持するために必要な相互支援連携体制の骨子を明らかにし、体制構築のためのガイドラインを作成することを目的とする。2022年度では、既存のBCPの収集および我が国における訪問看護事業所間連携に関する文献レビューを行い、災害下の訪問看護事業所間連携に関する現状と課題について明らかにした。災害下に機能する連携体制を構築するには、平時からの連携が不可欠であり、連携体制構築が進むことが地域の防災力の強化や災害下の在宅医療を維持することにつながり、利用者へのサービス提供を通して連携することが、訪問看護の質向上や量の確保に寄与することが明らかになった。また、第27回日本在宅ケア学会学術集会、第12回日本在宅看護学会学術集会に参加し、災害下の在宅医療連携、訪問看護事業所間連携に関する知見の情報収集を行った。当初、多職種多機関の相互支援連携体制に焦点を当てていたが、既存のBCP分析および文献レビューから、その前段である訪問看護事業所間連携体制の構築に課題があることが明らかとなった。現在は、災害下における訪問看護事業所間の連携体制構築の意思決定を担う管理者の認識を明らかにすることを目的としたインタビュー調査を実施している。上記のインタビュー調査は研究者所属の倫理審査委員会の承認を得ており、事業所が都市部に位置し、被災経験を持つ訪問看護事業所管理者を対象にデータ収集を行っている。今後は文献レビューおよびインタビュー調査で明らかになった結果を元に、質問紙を作成し地域の多職種多機関間における相互支援連携の現状・ニーズ・困難を把握する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
BCPの作成状況に地域差があり、網羅的に収集することに時間を要した。また、コロナ禍であるため、インタビュー調査の協力を得ることが困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
すでにインタビュー調査の倫理審査委員会の承認、研究対象者の参加同意を得られているため、引き続きデータ収集および分析を実施し、遅れを取り戻していく。また、インタビュー調査の分析終了後、早急に質問紙作成に移れるよう文献レビューに基づいた素案を作成する。
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Causes of Carryover |
【理由】コロナ禍であるため、学会参加はオンラインとなり、旅費が発生しなかった。また、インタビュー調査およびアンケート調査の実施ができなかったため、調査票印刷費、通信費、文字起こし・データ入力に係る研究補助謝金が発生しなかった。 【使用計画】インタビュー調査に係る研究協力謝金、アンケート調査に係る調査票の印刷、郵送費が必要となる。また、それぞれのデータ整理に関する研究補助謝金が発生する。データ収集・分析が終了した研究から順次学会発表、論文投稿を行うため、研究成果発表費(投稿料・掲載料)および英文校正費用の支出が見込まれる。
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