2022 Fiscal Year Research-status Report
サルコペニアの骨格筋に対する経皮的炭酸ガス投与法の効果について
Project/Area Number |
22K11286
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
原 仁美 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40437489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹森 俊幸 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (20884456)
河本 旭哉 神戸大学, 医学部附属病院国際がん医療・研究センター, 特命講師 (30420558)
藤原 周一 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (50909710)
秋末 敏宏 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (90379363)
深瀬 直政 神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (60579324)
澤田 良子 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (30648308)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | サルコペニア / 経皮的炭酸ガス療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
サルコペニアの成因や病態については明らかにされていない部分も多く、基礎研究が進行中であるが、臨床的には診断ガイドラインも作成されており、予防や治療法の確立が望まる。現在のところ、有効な治療法としてエビデンスが示されているのは運動療法だけであり、薬物治療や栄養療法についてのエビデンスは不十分である。サルコペニアはロコモティブシンドローム、フレイルと並んで高齢者の運動機能、身体機能の低下として問題となるが、高齢者では、運動器の慢性変性疾患による疼痛やしびれなどの自覚症状を有することが多く、さらに基礎疾患による運動制限や認知機能や気力の低下もあるため、運動療法を習慣化させることが困難である。経皮的炭酸ガス療法は運動能力が低下した状態においても施術が可能で低侵襲な新規治療法として、我々は既に骨折や悪性軟部腫瘍に対する臨床研究を行っている。有酸素運動と同様の効果が得られる本治療法が、サルコペニアに対して有効であることが示されれば、臨床応用ができ、高齢社会において大きく貢献することが可能であると考える。 そのためにはまず、自然発症高血圧ラット(SHR)に高脂肪高炭水化物食を負荷したモデル(サルコペニアラット)を使用し、経皮的炭酸ガス療法を行う。経皮的炭酸ガス治療群とコントロール群で体組成の評価を行い、摘出した骨格筋組織で病理組織学的、分子生物学的に筋量や筋サテライト細胞数の評価、筋タンパクの合成と分解に関連する因子についての評価を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者の海外派遣制度に伴う短期海外留学がCOVID-19のパンデミックにより予定より11か月遅れたため、令和4年度の研究計画が予定通りに進まなかった。また、サルコペニアラットとしてSHRを使用しているが、サルコペニアおよび前サルコペニアの評価や個体差についての分析に時間を要したことも原因と考えている。しかし、本研究の準備段階として重要な点であるため慎重に検討していく必要があった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、まずサルコペニアラットに対する経皮的炭酸ガス療法の手技が安定的かつ確実に行われるように研究体制を確立する。次に、治療群と未治療群における栄養管理や運動負荷について明確に評価する必要があり、両群の飼育管理を計画する。治療後、体組成の評価を行ったうえで病理組織学的評価及び分子生物学的評価へと進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
研究の進捗が遅れ気味であることが理由の一つとして挙げられる。研究責任者の留学帰国後より研究の推進を図っており、次年度に使用する予定である。
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