2023 Fiscal Year Research-status Report
地域在住高齢がんサバイバーコホートの構築:健康寿命延伸に向けて
Project/Area Number |
22K11287
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
小野 玲 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 身体活動研究部, 部長 (50346243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 治久 九州大学, 医学研究院, 准教授 (30572119)
古和 久朋 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (60396728)
秋末 敏宏 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (90379363)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 高齢がんサバイバー / 要支援 / 要介護 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢化率30%に近づいている本邦において、悪性腫瘍のインパクトは、65歳以上の高齢者の死因の第1位であること、新規罹患の7割は65歳以上の高齢者であることである。我々は、高齢期のがん罹患が、がんを罹患していない群と比較して、要支援・要介護の発生が高くなることを明らかにしてきた。高齢がんサバイバーは、治療終了後健康寿命短縮の可能性が考えられる。しかし、国内外において高齢がんサバイバーの健康寿命短縮とそのプロセスについては十分に検討されておらず、高齢がんサバイバーは対策されないまま地域で日常生活を営んでいる。 本研究の目的は、地域在住高齢がんサバイバーのコホートを構築することにより、高齢がんサバイバーの生活習慣の現状を明らかにするとともに、フレイル・転倒の発生、骨折発生・認知症発生、要支援・要介護発生、死亡をがんに罹患していない高齢者と比較することで、外来でのがんサバイバーのリハビリテーション実施に向けたエビデンスを提供することである。 2023年度は、特定健診情報と医療介護レセプトデータをリンケージし、保有データセットから高齢がんサバイバーを同定した。また、高齢がんサバイバーにおいて、運動習慣を有している場合(がん罹患後に特定検診にて運動習慣ありと回答したもの;1回30分以上、週2回以上、1年以上継続している)、有していない場合と比較して、死亡率が低下(ハザード比;0.24)し、要支援・要介護の発生が低下する(ハザード比;0.23)ことを明らかにできた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
がん種は多様であり、診断についてもがん種ごとに少しずつ異なる。そのため、高齢期のがん罹患のアルゴリズム作成に時間を有してしまい、データ分析を十分に行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の成果として、高齢がんサバイバーが同定でき、運動習慣と要支援・要介護発生、死亡等との関係について分析を行うことができた。2024年度は高齢がんサバイバーと健常高齢者と生活習慣に関するデータ、健康アウトカムとのデータを比較することで、リハビリテーション対象者を明らかにする。
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Causes of Carryover |
データ分析の遅延により、成果の公表を2023年度中の学会発表や論文投稿にこぎつけることができなかった。2024年度はデータ結果の解釈について情報収集を行うとともに、成果の公表と論文投稿を行う予定である。
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Research Products
(2 results)