2022 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児期の可撓性扁平足に関する実態調査およびそのリハビリテーション介入の効果検証
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22K11289
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
宮城島 沙織 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (40781274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 昌弘 札幌医科大学, 医学部, 助教 (20515788)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 可撓性扁平足 / 歩行 / 幼児期 / インソール / 装具療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年増加傾向にある早産・低出生体重児,発達性協調運動障害を持つ児は全身の筋力や筋緊張が低く,関節弛緩性が高いことが明らかにされている.そのような低緊張の特徴をもつ児では可撓性扁平足を呈する場合を多く経験する.アーチサポートインソールの挿入(装具療法)や運動療法により速やかに歩容や姿勢が改善する症例は少なくないがそれを科学的に検討した報告は非常に少ない.そこで,本研究では乳幼児期における扁平足を呈する児の実態を調査し,さらにその治療として,装具療法と運動療法介入の効果を検証することを目的とする. 本年度はパイロット実験を行い,評価項目については当初より予定していた静的立位にて,内側縦アーチの形状を測定する機器だけでは不十分であり,動的な評価を追加することとした.近年,ビデオカメラの映像からAIを用いて動作解析をする手法が開発され,十分な信頼性及び妥当性が示されている.本研究においては,発達障害を有する対象に対し,調査を行うことを検討しているため,より簡便に測定できる方法が好ましく,3次元動作解析装置のような大掛かりな装置よりも,マーカレスで行える手法を選択する必要があったため,ビデオカメラの映像からAIを用いて動作解析をする手法を選択することとした.機器を購入し,パイロット実験を行った.そのデータを用い,歩行変数および歩行時の関節運動の解析を行えることを確認した. 次年度については,パイロット実験で得られた情報を元に本実験に移行する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は予備実験を十分に行い,評価項目に動的評価を加え,本実験へ向けた準備を十分に進めることができた.また,協力施設(地域の保育園,幼稚園,小学校)への依頼を進め,協力体制を得ることができた.以上より,おおむね順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の予備実験を通し,測定,実験手順についての準備は整ったため,実際の測定(本実験)を進めていく.まずは,積極的に乳幼児期における扁平足を呈する児の実態を調査することを目的に,協力施設である地域の保育園,幼稚園,小学校でのデータ収集を進めていく.さらに,治療対象がいた場合は,その治療として,アーチサポートインソールを用いた装具療法と運動療法介入の効果を定量的評価を用い,検証していく.
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Causes of Carryover |
本年度はパイロット実験を中心に行ったため,消耗品の使用などが予定より少なかった.来年度以降は本実験を行うための経費に充て,さらに積極的に成果を学会発表などで公表していくための経費に充てる予定である.
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