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2023 Fiscal Year Research-status Report

Elucidation of the role of TRPV4 channel in the effect of repetitive hyperthermia on the progression of chronic kidney disease

Research Project

Project/Area Number 22K11304
Research InstitutionKumamoto Health Science University

Principal Investigator

飯山 準一  熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (00398299)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 岩下 佳弘  熊本保健科学大学, 保健科学部, 准教授 (70623510)
桑原 孝成  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (00393356)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
KeywordsTRPV4 / M1マクロファージ / M2マクロファージ / CKD / 予後
Outline of Annual Research Achievements

我々は深部体温 1℃上昇を30分維持させる全身温熱の4W反復により、慢性腎臓病(以下CKD; Chronic Kidney Disease)モデルマウスの予後改善効果について報告した(Am J Phys Renal phys. 2016)。低コストで侵襲のない全身温熱が、有効なCKD対策となる可能性が示唆された。血管内皮細胞を介した血管機能の改善に加えて、温熱反復曝露が細胞内シグナル伝達を介して腎組織自体に保護的に作用していることが示唆されている。
温熱受容体は1997年に報告されたカプサイシン受容体(TRPV1)に引き続き、V3、V4、M8等が知られているが、我々の研究する温熱刺激では深部体温を約1℃上昇させる刺激条件であることから、TRPV4に着目している。さらにこれら温熱受容体は、感覚神経のみに発現するのではなく、様々な臓器・細胞で発現するV4が刺激されており、マクロファージもその一つである。長年温熱研究は皮膚感覚を介した自律神経反射に起因する生理学的評価が主体となってきたが、温熱受容体を介した生化学的研究が重要な意義を持ち、急性炎症や慢性炎症との関連も明らかにすることが可能と考えられる。
我々は培養細胞を用いて尿細管上皮細胞と炎症細胞におけるTRPV4の役割を解明するために、尿細管上皮細胞とマクロファージの共培養系を用いた実験系を導入した。これまで共培養の経験がなく、条件設定に時間を要したが、ようやく整った。低濃度LPS(lipopolysaccharide)による慢性炎症惹起に対する温熱曝露群と温熱曝露+薬理学的TRPV4阻害群の尿細管上皮細胞の生存率を比較し、さらにM1、M2に大別されるマクロファージの表現型の違いについて細胞表面マーカーとフローサイトメトリーを用いて解析中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初、温熱反復がもたらす既知の経路としてよく知られる一酸化窒素を介した血管系への効果を薬理学的に阻害し、vivoのCKDモデルを用いて長期飼育後に、標本採取を行い、線維増生に関する組織学的評価と分子生物学的評価を行ったが、十分な差が見出せなかった。再度やり直すことも検討したが、時間を要することからvivoのモデルは断念することとした。
2021年度David Juliusらのノーベル賞受賞以後、TRP関連の研究はより一層活性化している。Atsumiらは、単球からマクロファージを分化させる際にTRPV4を活性化すると、M1型GM-CSFマクロファージへの分化が抑制される一方で、M2型M-CSFマクロファージへの分化は抑制されないことを報告(Immuno Horizons. 2023)しており、臓器特異的な視点から免疫関連細胞のTRP受容体へ着目すべきと判断し、vitroの系へと方針転換した。しかし、共培養の技術に未熟だったために、培養条件の設定に予想以上に時間を要した。今後、38℃の温熱反復曝露がマクロファージを介して、慢性炎症との接点を明らかにする。

Strategy for Future Research Activity

他の研究グループ含め、免疫細胞に発現するTRP受容体を介した免疫調整機構に関する報告が徐々に散見されるようになってきた。しかしながら、我々のグループを除いては、ほぼ将来的な創薬と関連する研究と思われる。我々は一貫して、生活習慣としての温熱曝露が身体や病態に及ぼす影響や、その温熱曝露を物理療法の治療手段として応用することを念頭に置いて研究している。
既に我々は、TRPV4受容体刺激による反応が炎症反応の時相によって大きく異なることを腎虚血再灌流モデルで報告しており(物理療法科学. 2018)、さらにシスプラチン腎症モデルでも、同様に炎症反応の時相によって、正反対の方向へ働きかけることを確認し、現在そのメカニズム解明へ向け研究を進め、今年度中には国際誌上で発表する予定である。
今後サーカディアンリズムの時相におけるTRPV4受容体刺激の意味を探り、健常者やCKD等の慢性疾患患者の日常生活で入浴やサウナ等の温熱習慣をヘルスプロモーションに活用するための方法論確立へとつなげていく。そして、全身温熱療法にとどまらず、局所温熱療法の意義を探り、局所加温を可能とする新たな物理療法機器の開発や臨床での応用を目指す。

Causes of Carryover

当初は、大学院生、研究員含めた研究チームでの実施計画を立てていたが、大学院生の博士号取得のための研究に遅延が生じ、本研究への配分を減らさざる得なかった。また研究員の体調不良により、全体的に研究チームのマンパワー不足を生じた。

  • Research Products

    (2 results)

All 2023

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results) Book (1 results)

  • [Presentation] POSSIBILITY OF REDUCING DRUG-INDUCED LIVER INJURY BY THERMAL PRECONDITIONING2023

    • Author(s)
      Y.Iwashita,K.Yae1,A.Maeda,K. Nagata,H.Kameyama,J.Iiyama.
    • Organizer
      World Physiotherapy Congress 2023
    • Int'l Joint Research
  • [Book] 最新温泉医学2023

    • Author(s)
      飯山準一
    • Total Pages
      380
    • Publisher
      日本温泉気候物理医学会
    • ISBN
      978-4-600-01279-3

URL: 

Published: 2024-12-25  

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