2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K11315
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
菊池 真 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (20404585)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | PC12 / gp-130 / STAT3 / IL-6 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、Nerve Growth Factor (NGF)により分化したPC12細胞に対して、IL-6受容体であるgp-130および、細胞内シグナルタンパクである、STAT3およびリン酸化STAT3の発現を観察した。当初、予定していた通り、PC12の継代1日後にNGFを加えさらに3日間培養したものを、試料とし、Western blotting法に用いた。その結果、STAT3の発現は観察されたが、gp-130の発現および、STAT3のリン酸化は、ほぼ観察されなかった。その後、培養期間を延長し、PC12の継代1日後にNGFを加えさらに10日間培養したものを資料に用いた結果、十分なgp-130の発現を観察することができた。 同時に、IL-6による刺激も検討したが、PC12の継代1日後にNGFを加えさらに3日間培養した試料では、STAT3の十分なリン酸化を認めることができなかった。これらのことから、IL-6の影響を観察するためには、受容体であるgp-130の十分な発現が重要であると考えた。現在、IL-6の主たる受容体であるgp-130がPC12継代後どの時点で最大に達するのかを検討するため、PC12細胞の継代およびNGF添加後、3日間、7日間、10日間培養したものを試料とし、どの時点でgp-130の発現が最大に達するのかを検討中である。 少なくとも、継代・分化誘導後、早期のPC12細胞ではIL-6暴露によるSTAT3のリン酸化は誘導することはできないことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
gp-130の発現解析を行うことになり、IL-6が分化PC12細胞に与える影響について検討できていない。加えて、研究者のコロナ罹患により、1カ月ほどの実験がリセットされ、当初予定していた目標を達成できないでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
gp-130の発現期間を同定したのちに、本研究課題の目的である、IL-6による分化PC12細胞への影響を観察する。最初の観察対象はSTAT3のリン酸化の影響を観察する予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度、研究代表者がコロナに罹患し、1カ月程度、研究が行えない状況があった。また、当初参加予定であった学会もオンラインなどで開催され、予定していた旅費が次年度使用となった。 今後は、継続した実験の費用、並びに学会参加のための旅費に充てる予定である。
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