2022 Fiscal Year Research-status Report
主観的記憶障害を改善・予防する生活行為特性のリスク解明と在宅型二重課題介入モデル
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22K11317
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
横井 賀津志 大阪公立大学, 大学院リハビリテーション学研究科, 教授 (50506912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 信也 森ノ宮医療大学, 医療技術学部, 准教授 (00783515)
垣本 晃宏 森ノ宮医療大学, 医療技術学部, 講師 (50443784)
中村 めぐみ 森ノ宮医療大学, 総合リハビリテーション学部, 講師 (70804508)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 主観的記憶障害 / 地域在住高齢者 / 作業 / 生活行為 / 二重課題 / 在宅 |
Outline of Annual Research Achievements |
和歌山ヘルスプロモーション研究に参加した認知症の診断を受けていないMMSEの得点が25点以上の259名を対象に,作業形態の特性に関する自記式アンケートおよび主観的記憶障害,基本属性について聴取した.作業形態の特性に関するアンケートは,①重要な作業名,②最重要となる作業名,③作業遂行度,④作業満足度,⑤作業の頻度,⑥作業の領域,⑦作業の継続期間であった.SMIの評価は,米国疾病対策予防センターの単一質問「過去12カ月間に,より頻繁に起こる,または悪化する混乱や記憶障害を経験しましたか?」を用い,「はい」をSMIありとした.統計解析は,SMIの有無を従属変数とし,作業形態の特性を独立変数とした多変量ロジスティック回帰分析を用いた.参加者259名の内訳は,男性100名,女性159名,平均年齢73.9±5.8歳であった.131名(51.0%)はSMIを認めなかった.作業とSMIがないことに関して,男性は作業遂行の高さ(オッズ比1.41 [95%信頼区間:0.95-2.08])および作業の頻度の多さ(オッズ比2.15 [95%信頼区間:0.90-5.15])に関連する傾向があった.女性は作業満足度の高さ(オッズ比1.37 [95%信頼区間:1.04-1.81])が,有意に関連していた.この結果は,年齢,教育歴,Body mass index,喫煙の有無,アルコール摂取の有無,疾患を調整しても変化はなかった. さらに,次年度に実施する在宅での介入研究の準備として,MR装置(日立 AIRIS Vento 0.3T)によるボランティア撮影の準備を進めた.FreeSurferを用いた脳画像解析処理に必要なMR撮影シーケンス確認および取得画像を実際に解析処理する環境を構築した.現時点では,撮影前の事前準備に20分,撮影20分,解析処理約4時間のフローにより,撮影を実施することが可能である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【2022年度】 住民健診において,個人が重要とする生活行為(作業)特性と主観的記憶障害の関連性を明らかにした.継続してコホート研究を実施する.さらに,次年度の介入研究における主要アウトカムである頭部MRIによる海馬容積の抽出も可能となった.
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Strategy for Future Research Activity |
【2023年度】 [前半] SMI リスク因子となる生活行為特性を改善する在宅型介入法,生活行為に組み込んだ在宅型二重課題介入法を開発する. [後半] 上記 2 つの在宅型介入法による予備研究により海馬容積を測定する.SMI有と無で各10名の前後比較予備研究で海馬容積を測定し,安全性につても確認する. 【2024-2025年度】 SMI改善・予防のための介入を,ランダム化比較試験により効果検証し,中年期からのSMI 改善のための在宅介入モデルを構築する.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により,海馬容積抽出に要する人件費を次年度に繰り越した.
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Research Products
(2 results)