2023 Fiscal Year Research-status Report
片脚立位制御能力に足部アーチ構造と足趾機能が果たす役割の機械学習による評価
Project/Area Number |
22K11325
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
栗原 俊之 山口大学, 大学院創成科学研究科, 講師 (10454076)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 静止立位バランス / 足部アーチ構造 / 足圧板 / 重心動揺 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題2:姿勢制御能力の制御機構を検討するため、中学生・高校生のべ3000名の閉眼片脚立位姿勢時の足圧板データを解析した。前足部(Meta)、中足部(Mid)、後足部(Rear)、母趾(1st Toe)、第2-5趾(2-5Toes)の5カ所に分類し、各領域内の圧力×時間積分(Plantar Pressure Integral)および接地面積(Contact Area)が足全体に占める割合(%PPI、%Area)を計算した。 機械学習による特徴量抽出評価のため、5カ所×2パラメータを基に、K-means Classification(N=3)により分類したところ、1群(Mid%PPIが大きい)、2群(Meta%PPIが大きい)、3群(Rear%PPIが大きい)の特徴を持つ3グループに分かれた。%Areaはどの部位も群間で差がなかったが、研究課題1:足部形態と静止立位COPデータの特徴量抽出で検討した圧力中心(Center of Pressure: COP)の動揺速度(V_COP)、COP速度のX方向(VX_COP)、Y方向(VY_COP)について比較したところ、V_COP、VY_COPは2群が1群や3群と比べて有意に小さく, VX_COPでは1群が2群や3群と比べて大きかった。 これらのことから、閉眼片脚立位時には、前足部に大きな荷重がかかっている2群が重心動揺速度が小さくバランス能力が高くなることがわかった。また、後足部荷重の3群だと足の前後方向への重心動揺が大きくなり、さらに中足部荷重の1群では前後方向に加えて左右方向の重心動揺も大きくなることがわかった。母趾および第2-5趾への荷重の増加による重心動揺速度は少なく、接触面積を増やすために足趾を接地させることが静止立位姿勢制御に関与しなかった。これは足趾接地が動的姿勢制御に影響するとした先行研究と反する結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度途中の職場異動に伴い本務地が変更となり、新職場での研究環境・機材などの調達が遅れた。新職場での倫理委員会の承認を待ちながら研究課題1の足部形態と静止立位COPデータ取得に関しては、前職場で粛々と続けていた。研究課題2について静的バランステストの評価として足圧板データの%PPI、%Areaを追加して解析を行うことができた。が、動的バランステストのデータを取得し解析を行うことが困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度からは本務地の研究環境も整いつつあり、異動前の職場に申請していた特別研究員にも2024年度から承認された。そこで、前職場でフォースプレートやモーションキャプチャの機器も使用可能となったので、倫理委員会の承認を得た後、研究課題2の疲労課題などの実験を開始する予定である。
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Causes of Carryover |
職場異動に伴い研究環境の整備が遅れ、研究課題2について実験開始が遅れていたため、研究協力者の人件費および被験者用謝金の未使用額分が次年度に持ち越しとなった。2024年度は環境が整いつつあり、前職場の特別研究員の承認も下りたことから、継続的に実験を実施することが可能で、人件費・被験者謝金を使用する計画である。
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Research Products
(10 results)