2022 Fiscal Year Research-status Report
歩行支援ロボットによる脳活動の賦活とニューロモジュレーションによる強化
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22K11358
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Research Institution | National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
Principal Investigator |
藤尾 公哉 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 運動機能系障害研究部, 研究員 (50778941)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 歩行 / 歩行支援ロボット / 脳波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、歩行時脳活動の指標として 「脳波」を用い、①ロボット歩行中の脳活動に及ぼす感覚フィードバックの影響を明らかにし、②ニューロモジュレーション法による位相依存的な歩行時脳活動への効果を明らかにすることである。本年度は、①を検証するために、歩行支援ロボットを用いて、以下の内容を実施した。 (1) 歩行支援ロボットによる能動・受動歩行中の荷重感覚が歩行時脳波に及ぼす影響について調べた。17名の健常成人を対象に、4つの歩行条件(能動・荷重、能動・免荷、受動・荷重、受動・免荷)にて、脳波・筋電図を計測した。 (2) 2名の脊髄損傷者を対象として、同4条件におけるロボット歩行中の脳波・筋電図計測を実施した。 (3) 集録したデータについて、歩行周期ごとに脳波信号パワー値、脳-脳カップリング、脳波信号による筋活動/下肢関節角度の回帰等の解析を行なった。 (4) 次年度の準備として、実験に用いる歩行課題アプリケーションの作成および環境構築を完了した。 次年度は、経頭蓋・脊髄電気刺激によるニューロモジュレーション法が、歩行時脳・脊髄活動に及ぼす効果について検証する。また、本年度の実験で新たに課題となった荷重量に応じた脳波の変調について、追加検証を行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験環境の構築および予備計測を計画通りに進めた後、本実験のデータ取得期間にロボットの故障が生じ、進行が遅延した。復旧後は、予定した実験を終了させることができており、概ね予定通りの進行と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、経皮的脳・脊髄電気刺激による物理的介入が歩行時脳活動に及ぼす影響について明らかにすることを目標とする。これまで実験に使用していた歩行支援ロボットの再度の故障・廃棄に伴い、計画段階からの大幅な変更が避けられない状況にある。代替として、体重免荷装置の導入を視野に入れ、上記の研究課題に取り組む方針である。なお、昨年度の成果については、速やかに論文として公表をすすめる予定である。
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Causes of Carryover |
人件費・謝金を、所属施設の研究費で支払うこととしたため、使用金額に変更が生じた。当初初年度に購入を計画していた軽頭蓋電気刺激装置について、所属で所有する備品で対応することとなった。一方、脳波電極の新調が必要となり、差し引きの金額が次年度への持ち越しとなった。
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