2023 Fiscal Year Research-status Report
頸髄損傷後の日常生活動作を見据えた、上肢機能回復を予測する数理モデルの構築
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22K11359
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Research Institution | National Hospital Organization Murayama Medical Center |
Principal Investigator |
植村 修 独立行政法人国立病院機構村山医療センター(臨床研究部), 臨床研究部, 臨床研究部長 (90365396)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 頸髄損傷 / 上肢筋力 / 予後予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
当院に入院した頸髄損傷患者の上肢筋力(脊髄損傷の神経学的分類のための国際基準(ISNCSCI)に基づく、上肢主要筋群5筋の筋力スコア合計点)を月毎に測定した。その実測値と対数関数モデルによる予測値との相関を見ることで対数関数モデルによる予測精度を明らかにした。 また、上肢筋力から、各主要筋の筋力スコアを予測できることを確認した。このことは、予測モデルで得られた上肢筋力から、各筋の筋力を推定できることを示している。例えば、つまむ動作を行う場合において、代償的なテノデーシス様運動を用いるのか、それとも能動的に手指屈曲で行うことができるかを予測できる。このことは効果的で効率的なリハビリテーション計画の立案において有用である。 さらに上肢筋力と日常生活動作(脊髄障害自律度評価法: SCIM)の相関を明らかにした。このことはSCIMで評価される日常生活動作課題の自立度をも予測できることを示しているため、患者がリハビリテーション終了時の障害像をイメージできるようになり、退院後の生活環境設定などを比較的早期に行うことができるようになる。 これらにより、頸髄損傷後の上肢機能がどの程度まで回復するかを、受傷後のリハビリテーション入院において比較的早期に予測することができるようになった。また、上述の通り、退院後の日常生活動作レベルを想定することができるため、家屋改修などの準備を早期から開始できるだけでなく、障害像をイメージすることで障害受容への一助となる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現在、データ収集は終了しており、投稿論文を執筆中であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今夏までに論文を投稿予定。
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Causes of Carryover |
前年度使用額が予定と異なり少額で済んだため、当初予定よりも今年度所要額が帳簿上大きくなったため。 今後、論文執筆から投稿予定であり、英文構成や投稿費用などに用いる予定。
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