2022 Fiscal Year Research-status Report
中枢神経損傷後の脊髄介在ニューロンの可塑性機構の解明
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22K11366
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中川 浩 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教(常勤) (10732901)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 脊髄介在ニューロン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ウイルスベクターを利用した神経ネットワーク解析や解剖学・生理学・行動学的解析を駆使して、中枢神経損傷後の脊髄介在ニューロン(脊髄INs)の神経可塑性変化による機能回復機構を明らかにする。具体的には、脊髄損傷後に脊髄INsが新たに障害に神経軸索を伸長・分岐させ運動機能の回復に直接寄与するか否かを確かめ、その分子メカニズムを明らかにすることを目的とする。 本年度においては、はじめに胸髄に位置しかつ腰髄に神経軸索を投射している神経細胞集団を特定し解剖学的な知見を詳細に得ることから始めた。脊髄介在ニューロンは遺伝子発現の違いによりいくつかのタイプに分けられ、それぞれ異なる機能を有していることが知られている。しかし、同タイプにおいても神経軸索の投射パターンが異なるため、遺伝子組換えマウスおよびウイルスベクターおよび神経トレーサーを駆使して興奮性および抑制性にカテゴライズして研究を進めることとした。その結果、胸髄に位置しかつ腰髄に神経軸索を投射するタイプには興奮性および抑制性の両者が含まれており興奮性脊髄INsの割合が抑制性に比べてやや多いという結果が得られた。また、神経回路形成を解剖学的に解析した結果、両タイプともに腰髄の脊髄INsおよび運動ニューロンの両者と結合していることが明らかとなった。しかし、同側および対側腰髄への神経投射パターンにおいては、両者に顕著な違いが観察された。これは、両タイプが後肢の動作制御機構に対して異なる作用を有している可能性を示唆する結果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在まで、胸髄に位置し下行性に神経軸索を投射している脊髄INsのタイプを遺伝学的に分類しその投射パターンおよび分布を解剖学的に明らかにすることができた。さらに投射先となるターゲットの領域も明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで、胸髄に位置しかつ腰髄に神経軸索を投射している脊髄INsには興奮性および抑制性の両者が含まれていることが明らかとなった。それゆえ、今後は興奮性および抑制性の違いに着目してその機能的な役割を明らかにしていく予定である。
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Research Products
(6 results)