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2023 Fiscal Year Research-status Report

サルコペニア肥満の進行と運動介入におけるマイオカインとしてのBDNFの基礎的検討

Research Project

Project/Area Number 22K11382
Research InstitutionTeikyo University of Science & Technology

Principal Investigator

萩原 宏毅  帝京科学大学, 医療科学部, 教授 (80276732)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 廣瀬 昇  帝京科学大学, 医療科学部, 准教授 (60460391)
相原 正博  帝京科学大学, 医療科学部, 講師 (90736472)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsサルコペニア肥満 / 運動介入 / BDNF / マイオカイン
Outline of Annual Research Achievements

サルコペニア肥満とは、肥満とサルコペニアを兼ね備えた状態で、単独のサルコペニア、肥満よりハイリスクな病態であるとして注目されている。しかし、その病態は未だ解明されていない。私たちは前研究課題で、廃用性筋萎縮とそれに対する運動介入が脳由来神経栄養因子(BDNF)に及ぼす影響についてモデルマウスを用いて検討し、骨格筋中の BDNFは血清 BDNFと比較して筋萎縮時の減少は小さく、運動介入時の増加の程度は大きいことを見出した。この結果より、骨格筋由来のBDNFは、筋萎縮から運動介入の過程で「マイオカイン BDNF」として独自の役割を果たしていると考えた。本研究課題では、このマイオカイン BDNFの役割を調べるために、(1)サルコペニア肥満の進行と運動介入におけるマイオカインBDNFの動態、(2) マイオカインBDNFと関連して変動する因子を解明することを研究目的とした。サルコペニア肥満モデルマウスは、高脂肪食を摂取させ肥満にした後、ギプス固定法で筋萎縮を誘発し作製した。その他、正常対照群、肥満群、サルコペニア群、運動習慣のある正常対照群と肥満群も用意した。今年度は、各群における骨格筋BDNFタンパク量および骨格筋BDNFや、その関連因子の遺伝子発現を解析した。その結果、骨格筋のBDNFは、正常対照群に比べて肥満群で低下し、サルコペニア肥満群でさらに低下していた。また、マイオカインBDNFと関連して変動する因子として、正常骨格筋において持久的運動による応答・適応に関与するAMP-activated protein kinase(AMPK)の関与が示唆された。次年度は最終年度になるため、サルコペニア肥満およびそれに対する運動介入がマイオカインBDNFおよび AMPKを含めた関連する遺伝子の変動にどのように影響するか解析した結果をまとめていきたい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、サルコペニア肥満群、正常対照群、肥満群、サルコペニア群、運動習慣のある正常対照群と肥満群の各群における、骨格筋BDNFタンパク量および骨格筋BDNFや、その関連因子の遺伝子発現を解析した。これまで得られた結果では、骨格筋の BDNF量は、正常対照群に比べて肥満群で低下し、サルコペニア肥満群でさらに低下していた。また、マイオカインBDNFと関連して変動する因子として、正常骨格筋において持久的運動による応答・適応に関与するAMP-activated protein kinase(AMPK)の関与が示唆された。これらの結果は、国内学会全国大会にて発表した(〔学会発表〕)。現在までのところ、当初計画していた二年目の研究内容についてはほぼ予定通り実施出来ている。このため、研究はおおむね順調に進展していると評価した。来年度は、本年度行った解析を繰り返して結果を確定させるとともに、本課題の研究目的である、サルコペニア肥満およびそれに対する運動介入がマイオカインBDNFおよび AMPKを含めた関連する遺伝子の変動にどのように影響するかについて、解析した結果をまとめていきたい。

Strategy for Future Research Activity

次年度は、本研究課題の最終年度にあたる。当初計画した通り、各群のマウスの骨格筋の遺伝子発現を網羅的に比較する。解析はマイクロアレイ法と、リアルタイム PCR法を併用する。これにより、サルコペニア肥満およびそれに対する運動介入がマイオカインBDNFおよびAMPKを含めた関連する遺伝子やレプチン、アディポネクチンの発現変動に影響するかを解析する。また、骨格筋由来の培養細胞 (C2C12 細胞)における BDNFとそれに関連する因子、特に AMPK、レプチン、アディポネクチンに着目してこれらの動態を検討する。免疫組織学的、生化学的解析を行うとともに、マイクロアレイやリアルタイム PCR 法で遺伝子発現も検討する。そして、これらの解析で得られた結果をまとめて、研究計画を完遂したい。

Causes of Carryover

現在、作製したサルコペニア肥満モデルマウスおよび各群マウスの免疫組織学的、生化学的解析を行うとともに、マイクロアレイやリアルタイム PCR 法で遺伝子発現を実施している。現時点では、ほぼ当初の研究計画通り進捗している。ただ、これらの解析は統計学的有意差を検討するため複数回振り返す必要があり、一部の解析は次年度に繰り返して実施することにした。このような理由から、解析に要する費用の一部は本年度中には計上しなかったため、次年度に使用額が生じた。次年度は本研究計画の最終年度になり、これらの解析に必要な物品の費用も含めて全ての研究計画を実施するために使用する計画である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2023 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Circulating α-Klotho Counteracts Transforming Growth Factor-β?Induced Sarcopenia2023

    • Author(s)
      Ohsawa Yutaka、Ohtsubo Hideaki、Munekane Asami、Ohkubo Kohei、Murakami Tatsufumi、Fujino Masahiro、Nishimatsu Shin-ichiro、Hagiwara Hiroki、Nishimura Hirotake、Kaneko Ryuki、Suzuki Takahiro、Tatsumi Ryuichi、Mizunoya Wataru、Hinohara Atsushi、Fukunaga Masao、Sunada Yoshihide
    • Journal Title

      The American Journal of Pathology

      Volume: 193 Pages: 591~607

    • DOI

      10.1016/j.ajpath.2023.01.009

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] サルコペニア,サルコペニア肥満, 運動習慣がマイオカインBDNFに与える影響2023

    • Author(s)
      三樹あずさ, 河口日香瑠, 相原正博, 萩原宏毅
    • Organizer
      第 9回日本筋学会学術集会
  • [Presentation] サルコペニア肥満モデルマウスにおけるマイオカインBDNFの解析2023

    • Author(s)
      三樹あずさ, 河口日香瑠, 相原正博, 萩原宏毅
    • Organizer
      第10回日本サルコペニア・フレイル学会大会
  • [Presentation] サルコペニアやサルコペニア肥満および運動習慣のあるモデルマウスにおけるマイオカインBDNFとAMPKの関連2023

    • Author(s)
      三樹あずさ, 河口日香瑠, 相原正博, 萩原宏毅
    • Organizer
      第28回日本基礎理学療法学術大会
  • [Remarks] 帝京科学大学 教員詳細 萩原宏毅

    • URL

      http://www.ntu.ac.jp/research/kyoin/iryou/pt/hagiwara.html

URL: 

Published: 2024-12-25  

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