• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

心大血管疾患患者の座位行動に着目した包括的心臓リハビリテーション確立への基盤構築

Research Project

Project/Area Number 22K11392
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

井澤 和大  神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (10736185)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 岡 浩一朗  早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (00318817)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords座位行動 / 心大血管疾患 / 健康関連QOL
Outline of Annual Research Achievements

近年、国内外において、座位行動 ( 座 り す ぎ 、 sedentary behavior)が健康に及ぼすリスクが指摘されている。座位行動は、「座位、半臥位および臥位におけるエネルギー消費量が 1.5 metabolic equivalents (Mets) 以下の全ての覚醒行動」と定義され、ガイドラインで推奨される水準の身体活動を行っていても、座位時間が長くなれば健康リスクとなる可能性がある。しかし、心大血管疾患患者における生活場面、特に座位行動の影響については、未だに不明な点も多い状況である。そのため、心大血管疾患患者における座位行動の身体機能指標に対する影響について明らかにする必要があった。2023年度は、まず、2022年度に取り組んだ検討を踏まえて、座位行動の過多・過小別による身体機能のアウトカム指標につき比較検討された。その結果、従来の心臓リハビリテーションを施行している患者においても心臓リハビリテーション以外の日常生活における座位行動の過多・過小別により、退院時の身体機能指標の高低に差異があることが示された。したがって、これらの身体機能の向上のためには、心臓リハビリテーション施行の有無のみならず、日常生活における座位行動についても考慮する必要があるものと考えられた。しかし、座位行動に関連する要因は、年齢や性別などの社会人口学的要因を含めて、複数存在する。したがって、それらとの関連要因については、解析方法を再考し、進めていく必要がある。また、座位行動の過多・過小が健康に関する生活の質(Health related Quality of life: HRQOL)や予後に影響する可能性も否定できない。現段階では、その詳細については未だ明らかではなく、症例数の増加を踏まえ更なる検討を要するものと考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2023年度は、当初の計画である、心大血管疾患患者における座位行動(座りすぎ)の影響について、座位行動の過多・過小別による身体機能指標の差異について言及することができた。また、その結果より、従来のリハビリテーションを施行している患者においてもリハビリテーション以外の日常生活における座位行動の過多・過小別により、退院時の身体機能指標の高低に差異があるということを明らかにすることができた。ゆえに、身体機能の向上のためには、リハビリテーション施行の有無のみならず、日常生活における座位行動についても考慮する必要があるという方向性を示すことができた。一方で、座位行動に関連する要因は、年齢や性別などの社会人口学的要因を含めて、多数存在する。それらの要因との関連性については、次年度の課題となる予定である。そのため、今一度、解析方法を再考し、進めていく予定である。また、座位行動の過多・過小が健康に関する生活の質(Health related Quality of life: HRQOL)や予後に影響する可能性もあるため、その点も踏まえ、症例数の増加も踏まえ更なる検討を要するものと考えられる。以上より、本研究では、現在までの進捗状況としては、概ね順調に進展しているものと考えられる。

Strategy for Future Research Activity

2023年度における研究成果としては、心大血管疾患患者における座位行動
の過多・過小別による身体機能のアウトカム指標につき比較検討された。その結果、座位行動の過多群は過小群に比し、身体機能指標の高低には差異があることが示された。すならち、従来のリハビリテーションを施行している患者においてもリハビリテーション以外の日常生活における座位行動の過多・過小別により、退院時の身体機能指標の高低に差異があることが明らかとなっている。しかし、これまでの検討からは、他の関連要因、例えば、年齢、性別、基礎疾患、重症度、栄養状態、服薬情報、運動習慣が主要アウトカムにどのような影響を及ぼすか?については、未だ言及できない状況にある。また、予後や健康関連QOLについても、症例数が少ないことから層別による影響については言及できていない。次年度は、症例数を増やしたうえで、これらの点を再考しつつ更なる解析を進めていく必要がある。以上より、2024年度の研究の推進方策としては、上記を踏まえ、更なる検討を要するものと考えられる。

Causes of Carryover

2023年度の使用額については、当初計画していた物品費ならびに旅費の使用額が少ない状況であった。この理由の一つとしては、インフルエンザや新型コロナウイルスの感染症の状況を踏まえ、ハイブリッドでの学会や研修会などに参加に変更したことによる削減がある。また、資源削減の観点から、印刷用インクや紙媒体の使用を出来るだけ抑制したこともこの要因の一つとなった。そのため、2023年度も使用額の削減につながったものと考えられる。
次年度は、2023年度よりも、上記の消耗品に加え、これまで以上に複数の対面での学会参加に対する旅費に費やす可能性があること、また、成果英語論文作成に際し、高騰する英文校正費用および論文掲載費用のために、2023年度よりも今年度は、より多く費やす可能性がある。そのため、使用額は、それらの補填のため、次年度にもちこしをして、この貴重な財源を活用させていただく予定である。

  • Research Products

    (7 results)

All 2024 2023

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results,  Open Access: 1 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 2 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] Effects of self-monitoring using an accelerometer on physical activity of older people with long-term care insurance in Japan: a randomized controlled trial2024

    • Author(s)
      Kitamura Masahiro、Izawa Kazuhiro P.、Nagasaki Takayuki、Yoshizawa Takashi、Okamura Soichiro、Fujioka Koji、Yamaguchi Wataru、Matsuda Hiroaki
    • Journal Title

      European Geriatric Medicine

      Volume: - Pages: -

    • DOI

      10.1007/s41999-024-00935-w

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Relation of sedentary behaviour to physical function in phase I cardiac rehabilitation2023

    • Author(s)
      Izawa Kazuhiro P.、Kanejima Yuji、Kitamura Masahiro、Ishihara Kodai、Ogura Asami、Kubo Ikko、Oka Koichiro、Nagashima Hitomi、Tawa Hideto、Matsumoto Daisuke、Shimizu Ikki
    • Journal Title

      Scientific Reports

      Volume: 13 Pages: 9387

    • DOI

      10.1038/s41598-023-36593-4

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Effects of Sedentary Behavior on the Complications Experienced by Pregnant Women: A Systematic Review2023

    • Author(s)
      Osumi Ayami、Kanejima Yuji、Ishihara Kodai、Ikezawa Natsumi、Yoshihara Ryo、Kitamura Masahiro、Izawa Kazuhiro P.
    • Journal Title

      Reproductive Sciences

      Volume: 31 Pages: 352~365

    • DOI

      10.1007/s43032-023-01321-w

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 循環器疾患に対する包括的心臓リハビリテーション~身体機能・身体活動・座位行動の観点から~2023

    • Author(s)
      井澤和大
    • Organizer
      第105回福岡県理学療法士会学術研修大会
    • Invited
  • [Presentation] 要支援高齢者における 社会的フレイルの有無による 健康関連QOLの差異2023

    • Author(s)
      北村匡大, 井澤和大, 松田浩昭, 岡村総一郎, 藤岡浩司
    • Organizer
      第10回日本予防理学療法学会
  • [Presentation] 心保護を考慮した包括的心臓リハビリテーション ~座位行動に着目して~2023

    • Author(s)
      井澤和大, 岡浩一朗
    • Organizer
      第45回日本高血圧学会総会
    • Invited
  • [Book] Ⅳ-2. 廃用症候群とサルコペニア『運動療法学 各論 第5版』2023

    • Author(s)
      北村匡大, 井澤和大
    • Total Pages
      544
    • Publisher
      医学書院
    • ISBN
      978-4-260-05293-1

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi