2022 Fiscal Year Research-status Report
肥満歴が慢性炎症による肥満関連健康障害と運動誘導性マイオカイン産生に与える影響
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22K11393
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤田 直人 広島大学, 医系科学研究科(保), 講師 (90584178)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 肥満 / 慢性炎症 / 耐糖能異常 / 運動 / 持ち越し効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝的素因によって過食を呈するOLETFラットを4週齢から普通食(7.9% moisture, 23.1% crude protein, 5.1% crude fat, 5.8% crude ash, 2.8% crude fiber, and 55.3% nitrogen free extract)にて飼育した場合、6週齢以降、非過食のLETOラットと比較して体重が有意に高値を示した。また、12週齢時点のOLETFラットにおいて、白色脂肪組織、褐色脂肪組織、肝臓における過剰な脂肪の蓄積、並びに耐糖能異常を確認した。OLETFラットの白色脂肪組織と肝臓において、12週齢時点では慢性炎症を示唆する組織学的所見は観察されなかったが、20週齢時点では顕著になった。このことより、若齢期(6週齢頃)から肥満を呈した場合、組織学的な脂肪蓄積、及び肥満関連健康障害は成熟期初期(12週齢頃)から生じるものの、この時点では組織学的な慢性炎症は確認されず、顕著になるのはそこからやや遅れることが示唆された。 また、上述したOLETFラットに対して4週齢から12週齢まで運動を行うことで肥満を抑制し、12週齢以降は運動を中断することで肥満を誘導した。その結果、運動期間中(4週齢から12週齢)は食事摂取量が有意に減少し、一方、運動期間終了後(12週齢以降)は食事摂取量がやや増加したものの、20週齢の時点において顕著な体重増加には至らず、組織学的な脂肪の過剰蓄積も確認されなかった。このことより、若齢期における運動習慣は摂食抑制が持ち越され、以降のライフステージにおける肥満予防に貢献する可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
過食による肥満を成熟期において再現し、その肥満歴を期間全般にわたるもの、及びそれより短いものに分けて確認したことで、肥満歴が各種臓器における慢性炎症と健康障害に及ぼす影響に関して、肥満期間の長さに依存するデータが蓄積されたため、進行は概ね順調であると考える。今後、成熟期以降のライフステージに着目し、慢性炎症にかかわる肥満歴の影響を明らかにする予定である。 一方、習慣的な運動によって肥満を抑制した場合、運動を中断した以降も運動による影響が持ち越される可能性が示されたことは当初予定していたこととではないため、今後の研究において運動を実施する場合、運動を実施するライフステージや実施期間、運動を中断した脱トレーニング期間についても着目する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1肥満歴に関して、今年度に確認した全期間を通じた若齢肥満と比較するべく、短期間で急激に肥満に至った若齢肥満をデザインすることで、同一時点における肥満期間の長さに着目した検証を行う予定である。また、運動に関しても同様に、運動の開始時期や実施期間に着目した検証を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究成果を国際学会、及び国内学会にて報告したが、多くの学術大会がweb開催であり、旅費が不要になったため、いくらかの繰越が発生した。繰越に関しては、次年度以降、旅費やディスポ物品の購入費用として使用する予定である。
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Research Products
(13 results)