2022 Fiscal Year Research-status Report
iPS細胞由来大脳皮質オルガノイド移植とリハビリテーションの相乗効果の検討
Project/Area Number |
22K11416
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
土井 大輔 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点講師 (10587851)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 大脳皮質細胞製剤 / 脳梗塞 / 細胞移植治療 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は1)ラット脳梗塞モデルの作製、2)大脳皮質オルガノイドの分化誘導、3)動物におけるリハビリテーションの手法についてそれぞれ検討した。 1)ローズベンガル色素をラット尾静脈に投与し、光刺激による血栓形成を利用して脳梗塞モデルを作製した。脳梗塞の病型に合わせて、皮質梗塞及び白質梗塞モデルを作製した。 2)実験に使用するiPS細胞株から大脳皮質オルガノイドを作製する方法を検討した。従来の方法では目的外細胞が多く含まれたが、作製方法の至適化を行い、目的とする大脳皮質細胞を効率よく作製する方法を開発した。さらに、細胞移植に使用するために、目的とする大脳皮質オルガノイドの選別や薬剤処理などを行い細胞製剤化する工程を追加し、凍結保存可能な細胞製剤を開発した。 3)ラットを使用し定量化可能なリハビリテーションの方法について検討を行った。特に巧緻運動機能をターゲットとしたリハビリテーション手法の開発を行った。 以上により、2023年度以降に細胞移植およびリハビリテーションを実施する準備が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脳梗塞モデルの作製、大脳皮質オルガノイドの分化誘導が当初の計画どおり2022年度内に完成した。また、成果の発表には至っていないが来年度以降に細胞移植およびリハビリテーションを実施する準備が完了した。一方、リハビリテーションの方法を検討したが、複数の方法を使用する必要があるため、全ての方法について方法を確立するまでには至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度には前年度に準備した大脳皮質オルガノイド由来の細胞製剤を用いて、脳梗塞モデルラットに細胞移植およびリハビリテーションを実施する。複数のリハビリテーション予定しており動物の群数が増えるため、複数回にわけて実験を行う。また、リハビリテーション単独による脳内の環境変化について、探索的な網羅的解析を予定している。さらに、2024年度に予定している細胞移植後の神経接続の評価について、G遺伝子欠損型狂犬病ウイルスベクターを用いた実験の準備を行う。
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Causes of Carryover |
2022年度は脳梗塞モデル動物の作製方法、大脳皮質オルガノイドの分化誘導方法の検討を実施したが、他課題と共通する物品を使用可能であり、また予定よりも小さいスケールの実験で実施可能であった。またリハビリテーションに用いる装置の選定は行ったが購入には至っていない。2023年度には、細胞移植に用いる細胞製剤の作製や特性評価に使用する試薬や資材、実験動物の購入に加えて、2022年度に購入予定であったリハビリテーションに用いる装置の購入を予定している。
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