2022 Fiscal Year Research-status Report
Neural Basis of Primary Motor Field Excitatory Fluctuation by Tactile Stimulation
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22K11434
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
山本 智章 新潟医療福祉大学, その他部局等, ロコモティブ症候群予防研究センター副センター長 (30445902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 秀明 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (90339953)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | MRI / fMRI / 一次運動野 / 上頭頂小葉 / 動的触圧覚刺激 / 機能的結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は皮膚を擦るような触圧覚刺激によって一次運動野の興奮性が増大するメカニズム(神経基盤)の一部を解明することを目的としている.2022年度は健常成人20名を対象として,3テスラMRI装置と機械的触圧覚刺激装置を利用して,脳構造画像と機械的触圧覚刺激時(単純刺激と擦刺激に似た複雑刺激の2条件)の脳機能画像を計測し終えた.当初計画通り被験者の血液を採取してBDNF遺伝子多型の解析も実施している.現時点でのデータを対象にして,機械的触圧覚刺激時の脳活動の解析に加えて,SPM12およびCONN(functional connectivity toolbox)を用いて一次体性感覚野および上頭頂小葉をシードとした機能的結合解析を行った.機能的結合解析では全脳のボクセルを対象に解析した.その結果,機械的触圧覚刺激時において,一次体性感覚野をシードとして機能的結合を解析すると,どちらの条件においても後頭頂葉や一次運動野との機能的結合が強まる結果を示したが,条件間で明確な違いは認められなかった.一方,上頭頂小葉をシードとして解析すると,統計的に有意な結合強化を示す領域は認められなかった.また,BDNF遺伝子多型を共変量として機能的結合解析に投入したが,BDNF遺伝子多型の影響は現時点では認められていない. 全脳を対象にしたfMRI等のボクセルベースの解析では,多重比較の影響で統計的な有意性を示すことが容易ではない.そのため,一次運動野や,頭頂葉の一次体性感覚野(3野,1野,2野),5野,7野,中側頭回および上側頭回の後方,側頭頭頂間,口頭頭頂間を対象に,先行研究を参照にして直径6mmの球形の関心領域を作成し,機能的結合解析を試みているが,現時点で特徴的な結果は得られていない.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
健常者を20名を対象にして,2種類の機械的触圧覚刺激時における脳活動を3テスラMRI装置を用いて計測し終えた.また,脳活動に影響を与えると推察されるBDNF遺伝子多型の同定にあたり,MRI計測被験者全ての血液を採取し遺伝子解析を実施している.さらに,機能的結合解析ソフトウェアであるCONNを利用して機能的結合解析の手法も習得した.しかし,当初予定していた被験者数には及ばず,やや遅れていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,MRI計測および遺伝子解析の被験者を増やすことと,BDNF 遺伝子多型だけでなくCOMT遺伝子多型も同定する.さらに解析機能的結合解析に投入する共変量を増やしてより詳細に解析する予定である.
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響で,学内でヒトを対象とした実験時間の制約があり,MRI計測被験者数が少なかった.そのため,2022年度に予定していた被験者謝金やデータ計測・解析補助謝金を減らし,2023年度に被験者およびRA雇用を増員して対応する必要があり,次年度使用額が生じた.
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