2022 Fiscal Year Research-status Report
経頭蓋直流電気刺激により改善する遷延性意識障害例の神経基盤の解明と刺激法の開発
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22K11451
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
阿部 浩明 福島県立医科大学, 保健科学部, 准教授 (30364433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根本 清貴 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80550152)
山口 智史 順天堂大学, 保健医療学部, 先任准教授 (20594956)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 遷延性意識障害 / 軽頭蓋直流電気刺激 / 構造的結合性解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
遷延性意識障害者に対する有効な治療手段の一つとして微弱な電流を用いた脳刺激法である軽頭蓋直流電気刺激が注目されている。ただし、全例に効果が あるわけではないため、改善する症例には、改善に必要な共通の神経基盤(構造的結合性)が存在すると考えている。そこで、軽頭蓋直流電気刺激の後に改善をしめす例と改善を示さない症例を調査して、改善を示す症例に特徴的な構造的結合性の特性を明らかにする。最終的には効果的に多くの症例に有効となる残存神経基盤に基づくテーラーメイドな 軽頭蓋直流電気刺激方法の開発につなげることを目標としている。現在のところ、軽頭蓋直流電気刺激が施行可能であった症例は5例であり、有効例と非有効例に分類して解析を行えるほどの症例数に至っていない。 ところで、構造的結合性の特性を解析するにあたっては軽頭蓋直流電気刺激の施行の有無にかかわらず改善を示す症例とそうではない症例の構造的結合性の特性を把握することは不可欠である。我々は、軽頭蓋直流電気刺激を実施していない症例の過去の画像データを解析して、入院時の重症度と改善経過と関連する構造的結合性特性の関係を調査した。その内容は、拡散テンソル画像を用いて頭部外傷後の遷延性意識障害例を対象とした研究を行い、意識障害重症例と中等度症例と健常者との脳内白質構造的結合性指標の差異を検証する調査を行なうというものであった。その結果、結合性指標のうちの一つであるstrength(平均)において健常群と重症群に、重症群と中等度群に有意差をみとめた。この調査の結果は第30回日本意識障害学会(2022年7月29-30日,東京)にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象となる症例数が当初の想定よりもやや少なく、これまで主治医の判断によって軽頭蓋直流電気刺激が行われた症例数が5例で、うち1例は経過観察中にてんかん発作が生じてたために中止となった。なお、てんかん発作は軽頭蓋直流電気刺激を実施していない時に生じており介入の影響によるものではない。コロナウイルス感染症の蔓延によって入院患者数の減少が生じている可能性も否定できない。対象患者が遷延性意識障害者であるため、それらの患者は免疫機能が低下しており高リスクであるため、厳密に感染を防ぐ必要があり、入院患者のみ対象とする以外の方法がなく、在宅療養中の患者を対象とした調査は依然として難い状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、縦断的調査を実施して意識障害から改善する改善例と非改善例との脳内白質構造的結合性の差異を検証する。また、近年その有効性が注目されている軽頭蓋直流電気刺激の有効例と非有効例の相違に着目して研究を行う予定である。
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Causes of Carryover |
解析に必要な症例数に満たしていないため具体的な解析が行えないため高解像度画像解析機器購入年度を次年度以降とする。また、研究実施施設で計頭蓋直流電気刺刺激装置が設置されたためにその機器を使用しているが、やがては患者数の増大に合わせて複数の機器の購入が必要となるためその際に購入する。
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Research Products
(1 results)