Do coordinated variations in joint motion contribute to accurate execution of throwing movements under psychological stress?

2022 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 22K11469
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 飯野 要一 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (50345063)
• Project Period (FY): 2022-04-01 – 2025-03-31
• Keywords: 関節運動協調 / 冗長性 / 心理的ストレス / 投動作

Outline of Annual Research Achievements

これまで冗長性のある運動において遂行変数を協調して変動させることによって目的とする結果変数を安定化させていることが多くの運動において示されている。このような協調は、環境の変化への適応を容易にすることも示唆されている。心理的ストレスは身体内部の環境の変化と捉えることもできるが、心理的ストレス下において運動の正確性を保つためにこのような遂行変数間の協調を利用できるのかは明らかになっていない。本研究の目的は、心理的ストレスによって生じるヒトの投運動の正確性の変化が協調性の利用とどのような関連があるかを、遂行変数自体のバラツキと遂行変数間の協調性という2つの評価パラメータを用いて明らかにすることであった。
本年度は、投運動の課題における的の空間配置など条件設定や、心拍数を同期して測定する方法、筋電図の被験筋や最大随意収縮における筋活動の測定方法について検討した。的の空間配置によって、ボールリリース変数間の協調の利用のしやすさが大きく変化すること、また投球スピードがボールリリース変数間の協調の利用のしやすさに及ぼす影響は、的の空間配置によって異なることがわかった。本研究では、心理的ストレスによって生じる正確性の変化や協調性の利用の変化が運動強度との関連があるかも調べるが、投球スピードが異なる場合協調の利用のしやすさも変化するため、異なる投球スピード間の単純な比較はできないことが示唆された。心拍数を同期測定できることを確認した。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

実験課題の様々の条件の決定に時間を要した。具体的には、的の空間配置が、冗長性の利用しやすさに与える影響を検討した。その結果、的の配置は冗長性の利用のしやすさに大きく影響することが明らかにされた。また、投球スピードが異なると、冗長性の利用によって得られる正確性の向上の程度が異なるため、異なる投球スピード間の単純な比較は難しいことが分かった。やや遅れているものの、実験の見通しをよくするために必要な検討であった。

Strategy for Future Research Activity

速やかに予備実験を行い、実験条件を確定させて、本実験を行う。少なくとも来年度の3月までに予定した被験者数についてデータを取得し、心理的ストレスが協調の利用に与える影響を明らかにする。

Causes of Carryover

本実験を行うに至らず、被験者謝金の支出がなかったため。また、実験を効率よく実施するため研究代表者が専用して利用可能な筋電計の購入を予定していたが、助成金の交付決定額の状況を踏まえて筋電計の購入は、効果的でないと判断したため。モーションキャプチャーやその後の動作解析を円滑に行うための機器の支出に充てる予定である。