2022 Fiscal Year Research-status Report
Effect of hydrogen on energy metabolism during exercise
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22K11483
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
桜井 智野風 桐蔭横浜大学, スポーツ科学研究科, 教授 (30235220)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 水素 / 身体運動 / 骨格筋 / エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,水素は臨床分野における治療薬として,抗酸化,抗炎症,抗アポトーシス作用等が実証されており,臨床医学への応用はさらに広がる可能性を秘めている.しかし,健康や運動への影響についての知見は数多くは存在せず,骨格筋をはじめとする各種器官における運動誘発性の酸化ストレス除去といった抗炎症分子として寄与することを示唆する報告がほとんどである.しかし,水素分子は細胞内ミトコンドリアにおいてエネルギー代謝に関与していることを考えると,運動による酸化ストレスやスポーツ傷害に対する効果的な物質であるだけでなく,運動パフォーマンスを改善する可能性をもつことが考えられる.本研究では,水素摂取がエネルギー供給,疲労軽減等に及ぼす影響を明らかにし,水素摂取がスポーツ科学分野における効果的な戦略手段となるかどうかを検討する. 実験は動物を用いた基礎実験と,ヒトを用いた応用実験に大別される.実験動物として Wistar系雌性ラットを用いる.生活環境設定として水素暴露環境群とコントロール群を作成し,各群ともにランニング運動負荷前後の筋組織内の各種生成物質を測定する. ヒトを対象とした実験も同様に急性の水素吸入群とコントロール群とし,両群とも自転車エルゴメータによる運動負荷を前後の呼気ガス採取によるエネルギー代謝と自覚的疲労度の測定をう. 現在、ヒトおよび実験動物を対象として,運動前後の水素環境暴露もしくは急性の水素吸入により,細胞内産生物質および情報伝達経路や呼気ガス構成成分の変化を測定することで,身体活動によるエネルギー供給,疲労の軽減といった運動全般に関与する水素の効果を明らかにすべく研究を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験動物を用いた基礎実験において,実施飼育環境における水素暴露濃度,暴露時間を決定し,運動時前後の代謝に及ぼす影響を実験している.また,ヒトを対象とした運動負荷試験を実施し水素急性吸引による運動時のエネルギー代謝に及ぼす影響を検討している.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通りに進行しており,本年度は動物実験における研究成果を国際学会で発表し,論文作成を完了させたい.
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Causes of Carryover |
コロナの終焉により,動物実験の頻度を増加させることが可能となっている.昨年度に行われた実験の再実験・追実験を行うために予算を執行したい。
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