2022 Fiscal Year Research-status Report
腎血流量を維持し腎臓にストレスをかけない最適な運動条件の探索
Project/Area Number |
22K11489
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
川上 翔太郎 福岡大学, スポーツ科学部, 助教 (30881304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
檜垣 靖樹 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (10228702)
道下 竜馬 福岡大学, スポーツ科学部, 准教授 (10632028)
上原 吉就 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (70373149)
安野 哲彦 福岡大学, 医学部, 准教授 (80551994)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 運動生理学 / 腎血行動態 / 運動処方 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、様々な「強度×時間」の運動条件が腎血行動態に与える影響について検証するものである。申請者はこれまでに運動条件の一つである運動強度に着目し、中強度以下の運動では腎血流量の低下が生じにくいことを明らかにした。腎血行動態は運動の強度や時間に強く影響を受けるが、「運動時間」が腎血流量に変化をもたらすかどうかは明らかでなかった。そこで、申請者は運動強度および時間と腎血行動態との関係について検討した。そして、中強度の持続運動が腎血流量を維持し腎機能を障害しないという成果を得て、中強度の持続運動が慢性腎臓病(CKD)患者にとって安全で効果的な運動条件の一つになりうることが示唆された。 CKD患者に対する運動に関する考え方が「運動制限から運動療法へ」とシフトしつつあり、運動の重要性が認識されるようになった。しかしながら、CKDは原因となる疾患により腎障害の機序が異なり、その病態は極めて複雑である。したがって、患者の病態や症状に合わせたテーラーメイドな運動処方が求められる。そこで、本研究では異なる運動条件(強度、時間)下での運動が腎血行動態にどのような影響を与え、腎臓にどの程度ストレスを与えるかを明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度に計画した実験について、概ね予定通りに進み、解析結果も得られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策としては、超音波エコーを用いて非侵襲的に様々な「強度×時間」での運動に伴う腎血流量の変化を評価し、腎血行動態にとって効果的な運動条件をさらに深く検討する。また、「運動」という刺激が腎微小循環に有益な効果をもたらす可能性を見出し、それらの制御機構を明らかにしていくために解析を進めていきたい。さらに、運動前後および回復期での血中および尿中バイオマーカーを測定することで、腎血行動態制御機構および腎臓への負担度の解明に迫り、それらを統合して考察していきたい。
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Causes of Carryover |
2022年度は当初の予想よりも研究の進捗状況が順調であり、次年度実施予定であった解析を2022年度実施するため、解析用試薬を購入する必要があった。解析用試薬を購入するに際し、前倒し支払い請求を求めたが、新型コロナウイルスの影響により解析用試薬の納入が予定より遅れ、予算執行が次年度にずれこんだ。 したがって、次年度使用額が生じた理由として、上記の理由が挙げられる。 また、2023年度は下記の予算で研究を遂行する。 対象者の運動負荷試験を行う際に心電図モニタリング、呼気ガス、血中乳酸を連続して採取し分析を行うので、心電図用電極、呼気ガス校正用ガスならびに血中乳酸測定用試薬として300千円を計上する。本研究課題の成果は、然るべき国内学会や国際学会に発表するために必要な旅費として140千円を計上する。また、採血は常に医師や看護師のスキルが必要となり、測定ごとに実験補助として賃金を支払う必要があるため、研究補助員に支払う謝金として150千円を計上する。さらに、本研究の測定ではボランティアの公募をするため、被検者への謝金として150千円を計上する。その他に、腎機能に影響を及ぼす血中のバイオマーカーや尿中代謝産物の評価のための尿・血液分析委託費や国内外の学術雑誌に投稿するために必要な出版費を含め500千円を計上する。
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