2023 Fiscal Year Research-status Report
運動の質や種類に着目した運動が脳にもたらす有益効果とそのメカニズムの解析
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22K11498
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
近藤 誠 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (50633012)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 運動 / 脳 / 有益効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
運動は、マウスやラットからヒトのレベルまで、動物の脳や身体に有益な影響をもたらすことが報告されており、注目されている。マウスやラットを用いた研究では、運動した動物の脳において、抗うつ効果や記憶学習能力の向上効果といった情動・認知機能に対する有益効果が知られている。さらに、運動後には、脳のシナプス形成促進や海馬における神経新生促進効果といった脳の形態・構造への有益効果も数多く報告されている。また、運動は身体にも有益な効果をもたらし、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの疾患の予防や改善に有用であることが知られている。そのため、運動が脳や身体に与える影響や、そのメカニズムについて、大変注目されているが、まだ多くのことが明らかになっていない。本研究では、運動の種類によってどのように影響が異なるのか、マウスを用いた運動実験システムを新たに構築するとともに、運動が脳や身体に与える効果に着目し、検討を行った。今年度は、前年度までに構築したマウスの運動実験システムに加え、さらに複数回の試行を繰り返し、より詳しい検討を加えたうえで新たなマウス用運動実験システムを導入した。また、確立した運動実験システムを用いて、マウスの行動を解析し、運動環境として適切であることを確認した。さらに、私たちが構築した運動環境が、マウスの脳や身体に与える影響について、行動解析や組織形態学的解析により検討を行い、抗うつ効果などの脳や身体への有益な効果が見られることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数のマウス用運動環境を構築し、運動がマウスの脳や身体に及ぼす影響について解析を進めており、データを得ている。今後の研究で用いる、新たな研究手法についても導入を進めており、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた研究データをもとに、引き続き、当初の計画通り、実験と研究を進めていく。運動がもたらす脳や身体への有益効果について、マウスを用いた解析により、さらに詳細な検討を行っていく。
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Causes of Carryover |
予定していた試薬類および器具類の購入が次年度となったため、次年度に物品費として使用する。
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