2022 Fiscal Year Research-status Report
運動性溶血性貧血の新たな評価法の開発と予防を目的とした食習慣の提案
Project/Area Number |
22K11511
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Research Institution | Ohka Gakuen University |
Principal Investigator |
木村 達志 桜花学園大学, 保育学部, 教授 (70234367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下野 洋平 藤田医科大学, 医学部, 教授 (90594630)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 溶血 / 動物実験 / 試料撹拌機 / 振動負荷 / 食習慣 / 運動負荷 / 食品添加 |
Outline of Annual Research Achievements |
実験室で一般的に使用されている試料撹拌機(ボルテックスミキサー)を使用し血液検体へ振動負荷を与えることで、運動中に足裏へ衝撃が繰り返される状態や生体へ強い衝撃が加わる状態を疑似的に再現できるのではないかと申請者は考えた。そこで本研究では、試料撹拌機を用いて血液へ振動負荷を与えることで赤血球の質的側面を簡便に評価する方法を開発し、それを基に運動性溶血性貧血を予防するための食習慣を明らかにすることを目的とした。 2022年度は、交付決定後に研究組織の見直しを行った。具体的には、交付申請書の2 応募者の研究遂行能力及び研究環境に記しているように、申請者の本務校と同じ愛知県豊明市にある藤田医科大学生化学教室の主任教授の先生を分担研究者として登録した。申請者は毎週開催されている上記教室会議で交付申請した研究についてプレゼンテーションを行い、次の示唆を得た。①ヒト(の検体)を対象とした研究は倫理申請がより重要となるので、まずはラットやマウスを用いた動物実験でデータを得る ②ヒトとラットやマウスの血液は特性が異なるので、採血方法、採血量、分注量や方法などを交付申請時に掲載した自験例と比較しながらプロトコールを確立する ③動物実験を実施するための講習会を受講し、実験動物を対象として倫理申請を行う ④試料撹拌機による振動負荷量の定量化を行う、である。 これらを踏まえ、①動物実験に関する講習会の受講と倫理申請(ともに完了) ②新規に振動計(FUSO;PVB-820)を購入し、試料撹拌機(Scientific Industries; Vortex Jenie 2)shake1からshake10の各レベルによる振動負荷量を定量した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
交付決定から分担研究者の登録および分担金の配分に時間を要し、申請時に計画した進捗には至っていない。また、当初ヒトを対象とした実験を計画していたが、研究先の教室内でプレゼンテーションをし助言を受けた結果、まずは動物実験から着手することになった。これは前向きな検討であり、現在、動物実験に必要な申請などは出来ており許可もおりている。さらに、血液流動性を測定する装置も購入済みであり、溶血した検体の血流を評価することも可能となっている。 また、研究の進捗が遅れているもう一つの理由として、公務が多忙であったことも挙げられる。2020年度から2022年度まで勤務校の学科長を務めており、所属学科は留学が必修となっている。コロナ禍で留学がストップしていたところから徐々に再開となり、その対応に追われていた。2023年度からは学科長の任を解かれたので、遅れを取り戻すべく研究時間をしっかりと確保していく。
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Strategy for Future Research Activity |
早急に動物実験を開始し、被験動物であるラットの検体について振動負荷量と溶血指標であるLDH,ASTとの相関を明らかにする。本申請前に実施した予備実験では、ヒトの検体を対象としたデータがあるので、ヒトの検体とラットの検体で振動負荷量と溶血指標の相違を明らかにすることができる。 ラットの検体について振動負荷量と溶血指標の結果を基にして、肥育飼料(食習慣)の違いが、溶血耐性にどのような影響を及ぼすかを検討する。
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Causes of Carryover |
2022年度は、交付決定後に研究組織の見直しを行い、申請者の本務校と同じ愛知県豊明市にある藤田医科大学生化学教室の主任教授の先生を分担研究者として登録した。同教室で改めて研究計画を練り直した結果、ヒト(の検体)を対象とした研究は倫理申請がより重要となるので、まずはラットやマウスを用いた動物実験でデータを得ることとなった。ヒトを対象とした実験を実施していないので、それに応じた支出がなされていない。 さらに、申請者の公務が多忙であったことも挙げられる。2023年度からは申請者の業務が軽減されるので、研究計画の遅れを取り戻すべく動物実験を確実に進め、それにかかわる請求(支出)を行う予定である。
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