2022 Fiscal Year Research-status Report
ショートトラックスピードスケートにおける失格発生メカニズムの解明
Project/Area Number |
22K11522
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
河合 季信 筑波大学, 体育系, 准教授 (50310107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 文武 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助教 (70880368)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ショートトラック / レース分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,ショートトラックスピードスケート競技(以下,「ショートトラック」という)における失格の発生頻度,失格行為が起こりやすいレースの局面,失格が起きる条件などを分析し,ショートトラックにおける失格発生のメカニズムを明らかにすることを目的とするものである. 初年度である2022年度は,国際スケート連盟 (ISU) が主催する世界選手権,ISUワールドカップなどの国際大会のリザルト(競技結果)を過去3シーズン分収集して,失格が発生したレースを抽出し,当該レースの映像を目視してトラック上のどこで当該失格行為が行われたかのデータベースを作成した.また,リザルトには失格の種類は記載されていないことから,ISUが公開している公式映像の確認をもとに失格の種類についても記録した.対象となる大会の映像の大部分は入手できたものの,まだ集められていない映像もあることから,公式映像以外の入手を試みる必要がある. また,最終年度(2024年度)に計画している,失格が発生する物理的な条件を明らかにするための測定に向けて,実際に国内の主要大会が行われるスケート場を訪れ,カメラを設置する予定の観客席から,三次元DLT法のコントロールポイントとなりうる場所を調査した.大会期間中には,氷上にコントロールポイントを設定することは難しく,リンク外でいくつかの候補点を見つけられたが,それらを使ってどれくらいの精度の三次元空間を構築できるかは,実験等によって検証が必要である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レース中の失格発生数については,ISUのリザルトサイトから取得でき,整理することができた.失格の発生場所,種類については映像から確認する必要があり,その場所を特定することが難しかったり,映像そのものを入手できていないケースがいくつかあり,今後映像の入手を進める必要がある. 最終年度に実施する予定の三次元映像分析に向けて,方法論の部分から検討を始めているが,研究期間内に日本国内で国際大会が開催されないことが決定したため,世界のトップレベルの選手たちのレース様相を測定するために,海外のスケートリンクの調査を行なう必要がある. 上記の問題については,解決する方法はおおよそ検討できているので,「おおむね順調」と評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
スケートの大会は10月から3月ごろにかけて実施されるので,2022年度のデータの分析はこれから進めることになる.まずは,不足している映像の入手を行ない,失格行為の発生場所と種類の特定を進め,その後発生頻度などの分析を行う.また,対象となった大会の参加者のランキングを入手し,失格が発生するレースのランキング分布についても分析を進める. 失格が発生する条件を検討するための三次元映像分析の実施に向けて,国内外のスケート場の情報収集を行ない,撮影を行う観客席の状況やDLT法で用いるコントロールポイントの状況について調査を行う.また,大会期間中には対象となるスケート場の氷上に立ち入ることはできないため,これらのコントロールポイントを利用した場合に構成される氷上の三次元空間はどれくらいの精度が保たれるかの予備実験を実施する予定である.合わせて,国際大会が実施されるスケート場の情報収集を進め,最終年度に映像撮影を行う候補地の選定を行う計画である.
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Causes of Carryover |
当初,国内主要大会の撮影及びキャリブレーション手法開発のための予備実験として国内旅費を使用する予定であったが,国内主要大会についてはテレビ局によるストリーミング映像配信があり,予備実験は次年度以降に延期したため,映像確認及びデータ入力用のタブレット端末購入に変更したため. 次年度使用額の使途については,延期したキャリブレーション手法開発のための予備実験で使用する予定である.
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