2023 Fiscal Year Research-status Report
Effects of resistance training-induced pyruvate production on glycoxidative metabolism.
Project/Area Number |
22K11526
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
榎木 泰介 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (70392701)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ミトコドリア / レジスタンストレーニング / 糖代謝 / ピルビン酸脱水素酵素 / 骨格筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、体内における2つのエネルギー供給機構である解糖系と糖酸化系に注目し、解糖系の活性が糖酸化系に影響を与えるのかについて検討することである。解糖系を活性化させる刺激として、高い筋力発揮が特徴である筋トレ(レジスタンストレーニング、RT)を採用した。最大負荷まで筋収縮を反復するRTは、解糖系を通じた骨格筋内のエネルギー代謝を活性化させ、多くのピルビン酸が産生する。このピルビン酸が糖酸化系を刺激するのであれば、その起点であるミトコンドリア膜の酵素(PDH)が適応変化を示すものと仮定し、実験を進めた。 今年度は特に、RTがPDHの活性/不活性をどのように制御しているのかについて検討を行った。PDHは通常、不活性型のp-PDH(リン酸化PDH)として存在するが、運動などでPDHが活性化すると、不活性型p-PDHは減少する。今年度は、PDHの3種類のリン酸化部位について検討を行い、RTによるp-PDHの有意な減少を認めた。よって、本研究のRTはPDHを活性化させることが明らかとなった。実際に、約3週間のRT実施によって、PDHの増加に加えて、PDH活性の亢進も認められた。一方、安静時ではRT群のp-PDHは有意な増加を示した。この不活性型PDHの増加は、安静時における糖酸化系の抑制と脂質代謝の亢進を示唆するものであり、持久的トレーニングでみられる効果と同様であった これらPDHの活性/不活性を制御する酵素はPDPとPDKであるが、本研究のRTではそれらに有意な変化はみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍が収束し、実験進行がスムーズになった。 今年度はタンパク質解析が順調に進み、データ収集が順調に進んだため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度、実験研究が順調に進行したため、今後はさらに新たな関連物質の測定に進む。 そのために、測定機材を整備し、測定手法を確立していく。
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Causes of Carryover |
今年度は既存の実験機器および研究資材を使用し、データ取集に努めた。 次年度には、新規に実験機器を購入し、新たな測定項目について、データ収集を行う。
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