2023 Fiscal Year Research-status Report
視覚・体性感覚の認知機能改善により競技力を向上させる新たなトレーニング戦略の開発
Project/Area Number |
22K11534
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
地神 裕史 国士舘大学, 理工学部, 教授 (30468970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 匡史 国士舘大学, 理工学部, 教授 (00320101)
金田 晃一 千葉工業大学, 先進工学部, 教授 (10534589)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 体性感覚 / 視覚 / 認知科学 / パフォーマンス分析 / ゴルフ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、視覚情報や体性感覚情報の処理が重要といわれている競技を行っている選手に対して、異なる条件での情報を提供した際の認知や身体運動の応答の差異を検証し、これらの結果に基づいて、認知と身体運動のどちらに対する学習がより効果的なのかを検証し、これらに対する新たなトレーニング方法の開発につなげることを目的に研究を行っている。 昨年度は研究手法の確立や機器の選定を中心に研究活動を行い、使用する機器の選定や予備実験を終えた。特に視覚情報を変化させた際の脳活動や情報処理過程を計測・解析する手法を確立し、様々な対象者の認知の特徴を明らかにするための手法の確立を目的に様々な機器や計測方法の確認を行った。 本年度は体性感覚情報、特に足底からの体性感覚情報(固有受容器を介した位置覚や運動覚)と皮膚からの体性感覚情報(風速や方向)を変化させた際の情報処理過程を計測・解析する手法を検討した。結果的に、3次元動作解析機器と連動して使用する方法を確立し、アマチュアゴルファーを対象にデータの計測・解析を実施することができた。 我々が行った先行研究では、アマチュアゴルファーはつま先が上がった斜面で、スイングの再現性が乏しくなり、ミスショットにつながることを明らかにしたが、スイング前の構えの姿勢やその際の脳活動は明らかにできなかった。今回の実験により、再現性が乏しくなる要因は構え(アドレス)自体の再現性も低くなることが明らかとなった。脳活動に関しては被験者数が少なく、統一した見解は得られていないため、今後も様々な対象者の計測を継続していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度、視覚情報に対する研究に比べ、体性感覚情報に対する研究は進捗状況が芳しくなかった。本年度は使用機器や計測方法、解析方法を確立し、計測を開始することができたので、おおむね順調に進展している。脳活動に関する解析方法に関しては今後も検討が必要であるが、どのような環境でどのようなデータを計測すると、どのようなデータが得られるかについては十分な検討が行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度や本年度に行った取り組みにより、視覚情報や体性感覚情報に対するデータ計測が始まっているため、予定通り対象者を増やし、計測を進める。脳活動の解析に関しては場合によっては機器や解析方法に変更の可能性があるが、研究協力者などとも検討を重ね、最適な方法を構築する。併せて、実際にアスリートを対象に苦手なシチュエーションを提示し、それを改善させる取り組みの検証も行う。
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Causes of Carryover |
昨年度に購入予定であった機器を本年度に購入したために、当初予算案から変更が生じたが、全体の金額含め予定通りの支出をなっている。
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