2022 Fiscal Year Research-status Report
Separate and combined effects of solar radiation and air humidity on endurance exercise capacity and thermoregulation in the heat
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22K11571
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Research Institution | Himeji Dokkyo University |
Principal Investigator |
大谷 秀憲 姫路獨協大学, 医療保健学部, 教授 (00412023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
時澤 健 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, 人間工学研究グループ, 上席研究員 (00454083)
後藤 平太 九州共立大学, スポーツ学部, 講師 (10709603)
細川 由梨 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 准教授 (30822829)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 高温環境 / 日射量 / 湿度 / 運動能力 / 体温調節 |
Outline of Annual Research Achievements |
外部環境の変化はヒトの運動能力と体温調節機能に影響を及ぼすことが知られている。研究代表者らはこれまでに、暑熱環境下の運動時には湿度の上昇、日射量の増加及び気流の減少に伴い持久性能力と体温調節能は低下することを明らかにしている。しかし、現在のところこれらの環境因子の複合的な作用が暑熱環境下の運動時における持久性能力と体温調節反応に及ぼす影響について検討した報告は見当たらない。そこで本研究は日射量と相対湿度の複合的な作用が暑熱環境下の運動時における持久性能力と体温調節に及ぼす影響について検討することを目的とした。本研究では気温30℃、気流<0.3 m/sの環境下で、日射量(W/m2)と相対湿度(%)を、①800 W/m2+80 %、②800 W/m2+40 %、③0 W/m2+80 %、④0 W/m2+40 %の4条件に設定した人工気象室内で運動負荷試験を実施し、条件の違いにより持久性能力と体温調節能がどの程度異なるかについて検証を行った。運動負荷には自転車エルゴメーター運動を用い、被験者が“きつい”と感じる強度になるようペダル負荷とペダル回転数を自己調節し、走行距離が16 kmに到達するまで実施した。 これまでに、個々の環境因子が暑熱環境下の運動時における持久性能力と体温調節に及ぼす影響について検証した報告はみられるが、日射量と相対湿度を組み合わせた複合的な影響について検証した報告は見当たらない。したがって、本研究は独自性が高いものと考えられる。 運動時の熱中症は主に暑熱環境下で体温調節の機能不全により引き起こされる。本研究は暑熱環境下の運動時における体温調節反応を日射量と相対湿度の条件を変えて観察することから、運動時の熱中症予防のための基礎データとして有用性が高いものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画の通りに、実験準備、予備実験の実施、実験の実施を行うことができた。研究はおおむね順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、データの解析作業を進め、必要があれば追加実験を実施する。また、得られた結果をもとに学会発表の準備と論文の作成を行う予定である。
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Causes of Carryover |
本研究では、被験者の体調不良による実験の延期やアクシデントの発生などによる実験のやり直しに備え、実験の実施にかかわる諸経費(人工気象室施設利用経費や実験交通費など)をあらかじめ多く見積もっていたが、実験が滞りなく進行したため、それらの経費を使わずに済んだことが理由として挙げられる。 今後はデータ分析のための経費と、国内および国際学会での学会発表のための旅費および論文作成に伴う諸経費に使用する予定である。また、必要があれば追加実験を実施するため、その施設利用経費と実験交通費に使用する可能性が考えられる。
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