2022 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋グリコーゲン回復を「見える化」できる代謝指標の探索
Project/Area Number |
22K11573
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 祐美子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (60780608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元永 恵子 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ研究部, 研究員 (20330516)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 骨格筋 / グリコーゲン / スポーツ |
Outline of Annual Research Achievements |
運動生理生化学分野では、運動競技者の疲労の程度をみるため、また疲労回復促進方法の探索のため、骨格筋グリコーゲン濃度の測定をもとにした研究が行われてきた。一方、装置や方法の都合上、グリコーゲン濃度を測定可能な環境は少ない。そこで本研究では、グリコーゲン回復を反映する可能性があり、かつ、簡便にサンプル採取・測定が可能な代謝関連指標について、運動後の骨格筋グリコーゲン濃度変化との関連性を検証する。 2022年度は、国内トップレベルのアスリートを対象として測定を行った。具体的には、男性車いす陸上競技選手2名を対象として、代謝関連指標(指先穿刺により得られる微量血および呼気中の代謝物濃度)と炭素磁気共鳴分光法により定量化した骨格筋グリコーゲン濃度との関連性を検証した。測定は選手の合宿期間中の起床直後(朝食前)に4日間連続で行った。また、選手1名については、1日あたりの炭水化物摂取量を体重1 kgあたり4.5 gおよび7.0 gとする2種類の介入試験を2週間のウォッシュアウト期間を挟んで行った。こちらは骨格筋グリコーゲン濃度と代謝関連指標との関連性の検証という目的に加え、選手がトレーニングを頻回で実施する合宿期間中でも骨格筋グリコーゲン貯蔵の低下を防ぐことができる炭水化物摂取量の目安の探索も兼ねて行った。現時点では炭水化物摂取量を変化させて測定ができた選手が1名に留まるため、23年度に複数の選手で測定を行い、データを蓄積する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請者の所属機関が変わったことで当初予定していた実験の開始に遅れが生じ、さらに研究員から教員に立場が変わり教育業務が増加したことでも進捗に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は2022年度同様に車いす陸上競技選手を対象として測定を行い、骨格筋グリコーゲン動態を反映しうる代謝関連指標の探索を続ける。得られた研究成果に関しては、学会等での発表や学術雑誌への論文投稿を目指す。
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Causes of Carryover |
申請者の所属機関および業務の変更に伴い、実験の進捗に遅れが生じ、次年度使用額が生じた。また、参加予定であった学会がオンライン開催となり、旅費が発生しなかったことも理由の一つである。
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