2023 Fiscal Year Research-status Report
スポーツ競技者の筋疲労前後およびその回復過程における筋・腱の機能評価法の確立
Project/Area Number |
22K11582
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
田中 重陽 国士舘大学, 体育学部, 教授 (70541001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平塚 和也 八戸学院大学, 健康医療学部, 講師 (40792213)
船渡 和男 国士舘大学, 体育学部, 特別任用教授 (60181442)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | MCセンサー / 筋疲労 / 回復過程 / 筋・腱の機能評価法 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、Muscle Contraction Sensor(MCセンサー)法を活用して、静的筋力発揮中や動的運動中の筋及び腱の活動動態を力学的観点から評価してきた。MCセンサー法は、非侵襲的かつ簡便な手法であり、特定部位の活動動態をダイレクトに計測できるメリットを有している。そのため、スポーツ競技者を対象として、トレーニング、コンディショニング、障害予防やリハビリテーション等の臨床現場でも活用できるものと思われる。そこで本研究では、スポーツ競技者のコンディション評価に焦点を当て、筋疲労前後およびその回復過程における筋・腱の機能評価法を確立することを目的として研究を継続している。 本年度は、MCセンサー法を用いて、あらゆる条件下の筋・腱の活動動態を評価した。具体的には、連続的な筋力発揮課題前後における外側広筋と内側広筋の相互作用をMCセンサー法で評価した。その結果、筋力低下時における協働筋の活動動態の評価の妥当性を明らかにした。また、等尺性による膝伸展・屈曲筋力発揮時の主働筋と拮抗筋の活動動態についても評価したところ、MCセンサー法で計測した主働筋及び拮抗筋の形状変化量は、いずれも筋力値と高い相関関係にあり、筋力レベルを推定する指標になりえることを明らかにした。さらに、膝関節を綿包帯固定することで、筋力や筋の活動動態がどのように変化するのかについても検討した。 本年度実施した実験は、連続的な筋力発揮課題前後における膝伸展筋群及び膝蓋腱の活動動態と、筋疲労からの回復過程についても実験を実施した。また、スポーツ競技者の筋コンディション評価法を確立するために、Tensiomyography(TMG)法による筋収縮特性の評価に関わる実験を実施し、分析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、連続的な膝伸展屈曲筋力発揮課題前後の、筋・腱の活動動態の評価、協働筋の相互作用、主働筋と拮抗筋の活動動態について評価し、それらの成果を国内外の学会で報告した。また、新たに実験を実施することができた。これらのことから、本研究課題は、おおむね順調に進展しているものと判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本年度実施した実験で得られたデータの分析を進め、連続的な筋力発揮課題前後の膝伸展筋群及び膝蓋腱の活動特性を評価するとともに、筋疲労状態からの回復過程について検討する予定である。また、動的運動中の筋・腱の活動動態とその関係性についてもデータ数を増やし検証していく予定である。さらに、モーションキャプチャーシステムを導入し、動的運動時の筋・腱の活動動態についても検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
初年度に購入予定であった、筋収縮測定(Muscle Contraction Sensor)が、世界情勢による物流の制限や物価高の影響で購入することが不可能となった。また、当初の予定よりもスムーズに実験等が実施できたために、人件費を節約することが可能となった。本年度の残額については、次年度以降に、得られた研究成果を国内外の学会で報告するための旅費や、他の環境整備のための備品や消耗品購入に充てる予定である。
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