2022 Fiscal Year Research-status Report
DXの技術活用による多段階漸増強度投球プログラムの構築と効果検証
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22K11583
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
窪田 敦之 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (20569339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 隼朗 東海学園大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (00748428)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 野球 / ピッチング / 投球障害予防 / キャッチボール / 強度 |
Outline of Annual Research Achievements |
野球において投球障害予防と投球パフォーマンス向上の両立、つまり壊さずにやり込むための「肩を作る」方法の確立を目指し、「肩を作る」ための最適な投球エクササイズと強度の組み合わせを客観的かつ個別に特定することを目標としている。その中で、本年度は投球姿勢と距離の変化に伴う投球強度の増減と、各種投球を繰り返した後の肩の状態変化について調査することを目的とした。 対象者は、大学硬式野球部に所属する投手6名(平均年齢21.0±1.1歳)であった。ウォーミングアップとして行なうキャッチボールの局面において、投球姿勢を両膝立ちと正面立ちの2条件に設定し、それぞれ10・15・20mの距離で60球の投球を行なわせた。その際のアームスピードやエルボートルクをウェアラブルセンサーを用いて記録し、投球強度について評価した。また、各投球の前後で肩関節可動域や筋力の測定、投球後にはブルペンにて投球パフォーマンスについて評価した。 その結果、両膝立ちにおいては、距離の増加に伴いアームスピードが増加したが、正面立ちでは差がみられなかった。エルボートルクにおいては、投球姿勢や距離で相違がみられ、特に20mの距離では投球姿勢による明らかな差がみられた。投球パフォーマンスにおいては、正面立ちで球速が増加する傾向がみられた。 以上の結果を踏まえ、アームスピードやエルボートルクの変化から、投球姿勢と距離の組み合わせをいくつか作成し、安全に投球パフォーマンスを向上させられる方法の確立へとつなげる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナの影響で野球部としての活動の制限が残っていた状況ではあったが、予定していた実験をある程度遂行することができた。ただし、そのような状況でリーグ戦との調整が困難であり、予定していた人数より少なくなってしまったことや、投球姿勢についてもまだ全ての実験が終えられていないため、追加検証が必要である。しかし、現時点で得られたデータを活用することで、次の計画も進められることから、このように判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
まだ検証できていない投球姿勢についても同様の方法で実験を進めると共に、現時点で得られたデータをもとに作成した投球プログラムの効果検証を並行して進める予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度において、より詳細な計測・評価に必要なデバイスを購入するに当たり、前倒し請求を行なったが、想定していたよりも安価であったため、その差額分が残った。こちらについては、これまでに得られた成果の発表や追加検証に係る費用として使用する予定である。
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