2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K11590
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Research Institution | Nishikyushu University |
Principal Investigator |
市川 浩 西九州大学, 健康福祉学部, 准教授 (20375463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下門 洋文 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 講師 (50757911)
下山 好充 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (20375364)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | スポーツ科学 / 流体力学 / バイオメカニクス / クロール泳 / 推進力 / 相乗効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はクロール泳中に上肢から下肢へ到達する流れの存在を検証し、これが下肢動作の推進力発揮に及ぼす影響を調査することで、下肢動作による推進貢献や役割を明らかにし、その流体力学の知見を泳技術や泳能力の差異を説明するエビデンスとして活用することを目的としている。 2022年度は、クロール泳中に上肢から下肢へ到達する流れの存在について検証し、その流れがキックの流体力に及ぼす影響を調査するために実験を行った。男子競泳選手2人を対象に、25mクロール泳試技とフラッターキック泳試技を実施した。泳者足部に4つの圧力センサを装着することで試技中のキックによる流体力の大きさを推定した。また、 Particle image velocimetry(PIV)法を用いてクロール泳中の上肢から下肢への流れを可視化した。その結果、クロール泳中の上肢がストローク動作によって作った流れがキックの推定流体力に明らかな影響を及ぼす現象は観察されなかった。流れの可視化によって、ストロークによる流れがキック領域にまで到達する試技が存在することを確認できたものの、足部付近へ到達する前に消失する試技も多数観察された。以上の結果から、上肢から下肢への流れは存在しうるものの、その流れがキックの流体力に与える影響は決して大きくはないことが示唆された。以上の知見について、2023年度に開催の国際学会へ発表申し込みを行っている。また、同実験内では泳動作を定量化するために動作分析も行っており、現在分析作業を継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者の所属変更があったために、対象者や試技回数を減らすなどの実験規模の縮小をしたものの、1年目にクロール泳中に上肢から下肢へ到達する流れの存在を検証することができた。この検証は本研究課題の最重要事項であったことから、十分な成果であると考える。この知見を当該年度内に発表するに至らなかったものの、当初計画していた通り、翌年の国際学会での発表を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目はこれまでと同様の実験を、クロール泳速度などを変えることで多様な条件下で実施することを計画していた。1年目は実験規模を縮小するなどしたが、当初の予定通り実施する予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた実験の規模を縮小して実施したことにより、これに使用する消耗品および実験補助者への人件費を支出しなかったため。次年度、同様の実験を繰り返すことから、この消耗品や人件費に適用する予定である。
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