2023 Fiscal Year Research-status Report
跳躍運動制御の機能別実効筋モデルによるメカニズム解析
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22K11602
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
鳥海 清司 富山大学, 学術研究部教養教育学系, 教授 (60227676)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 機能別実効筋 / 二関節筋 / 系先端出力 / シミュレーション / 関節トルク |
Outline of Annual Research Achievements |
4リンク3関節の系(体幹、大腿、下腿、足のリンクと股関節、膝関節、足関節)において、機能別実効筋モデルによって跳躍運動制御を明らかにすることを目的としている。その中で今年度は、各関節へのトルクを入力値として系先端(つま先)での出力分布を明確にすることと、関節トルクと系先端の出力分布について実測する筋力測定装置を構築すること目的とした。 関節トルクから系先端の出力を算出する方程式については、昨年度までに構築されており、本年度は体節長、関節角度、関節トルクの組み合わせを変化させて系先端での出力を算出するシミュレーションを実施した。体節長については一般的なリンクモデルとして、全ての体節長を0.4mとしたものと人体をモデル化するために、生命工学研究所の「設計のための人体寸法データ集(1996)」を参照し、成人男性のデータとして、大腿0.4m、下腿0.4m、足0.2mとした。関節角度は、リハビリテーション医学32(1995)の207-217を参照して股関節伸展方向35°、股関節屈曲方向105°、膝関節0°から屈曲方向に130°、足関節背屈方向に45°、足関節底屈方向に110°の範囲とした。関節トルクは石井直方監修「筋肉のしくみ・働きパーフェクト辞典(2012)」ナツメ社p.261を参照し、股関節屈曲最大値を110Nm、股関節伸展最大値を230Nm、膝関節屈曲最大値を120Nm、膝関節伸展最大値を220Nm、足関節底屈最大値を160Nm、足関節背屈最大値を40Nmとした。系先端の出力分布の詳細は今後考察するが、おおよそ、六角形になるような結果を現在のところ得ている。 筋力測定装置については、当初計画で予定していたトルク足底が特注扱いに変更となり、引っ張り力を測定する力量計を用いて構築しなおす必要が生じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
機能別実効筋モデルをもとにした系先端での出力分をまでを構築する予定であったが、その前段階の関節トルクの入力から系先端の出力分布をシミュレーションするまでにとどまった。関節トルクをもとにした系先端出力分布のシミュレーション条件の数が予定よりも膨大な数となり、その解析、考察に時間を要してしまっている。 人を対象にした筋力測定の器具の構築については、当初予定の機器が製造会社の都合によって、一般製品から特注製品へと変更になり、予算との不整合があり、他の一般製品を用いた機器の構築を余儀なくされたことによる機器選定の遅れに加え、対象とした一般製品についても納期が年度末ぎりぎりとなったことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
関節トルクを入力値として、系先端の出力分布を算出するところまでは作業を進めることができた。今後は、関節トルク算出のために7つの機能別実効筋の出力を入力値とする部分のプロクラムを構築し、機能別実効筋出力と系先端での出力分布の関係を明らかにしていく。同時に人を対象に各種筋力測定を実施し、シミュレーションと実測値の比較を行う。 筋力測定は、股関節屈曲・伸展トルク、膝関節屈曲・伸展トルク、足関節底屈・背屈トルク、系先端(つま先)での出力の測定を予定している。
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Causes of Carryover |
人を対象とした筋力測定が、選定機器の変更による再構築の必要が生じたことと、それに伴い、機器の納期が年度末ぎりぎりなったことによって、実際の測定を実施することができなかった。そのため、測定補助や被験者の謝金を使用する機会がなかったため。次年度に筋力測定を行い、測定補助と被験者謝金として使用する予定。
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