2022 Fiscal Year Research-status Report
分岐鎖アミノ酸代謝物マイオカインの血糖上昇作用機序の解明
Project/Area Number |
22K11612
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
宮崎 照雄 東京医科大学, 医学部, 准教授 (60532687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 彰 東京医科大学, 医学部, 教授 (10468639)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 持久性運動 / 分岐鎖アミノ酸 / 血糖 / エネルギー / マイオカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,持久性運動時に低下する血糖の代替エネルギー源として,骨格筋で異化される分岐鎖アミノ酸バリンの中間代謝物である3ヒドロキシイソ酪酸(3HIB)が,血糖値を上昇させるマイオカインとしての生理作用をもつ事を明らかにする。本研究では,ラットに3HIBを投与して,血糖値を調節するホルモンの分泌変化や交感神経の興奮などを評価する実験動物を用いた検討と,肝臓における糖新生への3HIBの作用と交感神経興奮に関わる短鎖脂肪酸受容体GPR41に対するリガンド作用を評価するために培養細胞を用いた検討を行う予定である。 計画1年目として,3HIBを投与したラットの血液において,血糖上昇ホルモンの変化(アドレナリン,ノルアドレナリン等)について検討し3HIB投与による血糖上昇効果について,実験動物にて検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画1年目として,3HIBを投与したラットの血液において,血糖上昇ホルモンの変化について検討した。一夜絶食後のラットに3HIBを腹腔内に投与し,5分後に麻酔下で採血した。血中3HIB濃度の有意な上昇が見られたものの,血糖値に大きな差はなく,インスリン,グルカゴン,アドレナリン,ノルアドレナリン等の血糖調節ホルモンの値にも違いが見られなかった。持久性運動後の血糖値の低下に比べ,安静時では一夜絶食後でも,運動後ほどの血糖値の低下が生じないために,3HIB投与による血糖上昇効果が確認できなかったと推測される。
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Strategy for Future Research Activity |
より血糖値に違いが生じる条件下を見出して,同様に3HIB投与後の血糖値と血糖調節ホルモンの変化について検討する。並行して,培養細胞等を用いて3HIBの糖生成や糖新生関連遺伝子発現に及ぼす影響について検討を加える。
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Causes of Carryover |
実験動物を用いた検討で想定とは異なる結果が得られ,結果解釈,実験計画の変更等に時間を要したため,予定よりも予算執行が少なくなった。 次年度からは,実験動物に加え,培養実験等を用いた実験の検討を計画しており,それらに研究費を使用する計画である。
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