2022 Fiscal Year Research-status Report
レジスタンス運動後のエネルギー消費に影響を与える運動条件の探索
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22K11613
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
向本 敬洋 東京理科大学, 教養教育研究院野田キャンパス教養部, 准教授 (60586147)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | レジスタンス運動 / セット間の休息時間 / EPOC / スクワット |
Outline of Annual Research Achievements |
レジスタンス運動における運動後の酸素摂取量やエネルギー消費は運動中の運動強度や運動量、反復動作速度、運動種目によって影響されることが報告されている。一方、レジスタンストレーニングの効果を引き出す運動条件において、上記以外の運動条件によるレジスタンス運動後の酸素摂取量やエネルギー消費については不明である。2022年度は実験1としてレジスタンス運動におけるセット間の休息時間の差異が運動後過剰酸素消費(EPOC)に及ぼす影響について検討した。 健康な男子大学生7名を対象に、最大挙上重量の70%負荷でのスクワットを1分間あるいは2分間、5分間の休息を挟んで3セット実施させた後、120分間の座位安静を維持させた。3条件のセット間休息時間での実験は全て3~7日の間隔を空けて実施した。運動中および運動後の呼気ガスおよび心拍数は携帯型呼気ガス分析装置を用いてbreath by breath法で測定した。 その結果、運動中の酸素摂取量および心拍数は平均および最高値とも1分休息の方が他の2分および5分休息の条件よりも有意に高い値を示した。運動後については、EPOCの継続時間は1分間休息の方が他の2つの条件よりも長いことが示唆され、総量においても1分休息の方が他の2つの条件よりも有意に高い値を示した。 したがって、レジスタンス運動におけるセット間の休息時間は、短時間の方がEPOCを増加させる可能性が示唆された。これはセット間の休息時間が短い場合、運動後の充分な酸素供給を補うことができないことから、EPOCに影響を及ぼしたことが推察される。今後は、実験参加者数を増やし実験を継続した上で運動中およびセット間の休息時と運動後のデータの関連性について詳細に検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験対象者の募集が当初の予定をより遅れており、予定の実験実施回数に満たしていないことから2023年度も引き続き継続しながら、次の課題を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の実験を継続しデータ数を増やして研究結果をまとめ、学会発表および論文投稿を目指す。 併せて、当初の研究計画を同様に、若年男性を対象とし、breath by breathによる呼気ガス分析法を用いて、異なる反復回数によるレジスタンス運動における運動後過剰酸素消費(EPOC)および運動後過剰エネルギー消費(EPEE)を測定し、運動後のエネルギー消費量を増加させる、または減量および体重増加の予防のための有効なレジスタンス運動条件を検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
初年度の実験の参加者数が予定よりも少なかったことから、人件費および実験消耗品の支出が予算よりも低額となった。 2023年度では予定の実験参加者を募り、2022年度の実験を継続すると同時に2023年度の実験を進めることから、両実験の人件費や実験消耗品の費用として補填する予定である。
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