2022 Fiscal Year Research-status Report
小中学生の運動器機能障害の縦断的評価と実践プログラム
Project/Area Number |
22K11629
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鎌田 浩史 筑波大学, 医学医療系, 講師 (60518801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 俊平 筑波大学, 医学医療系, 教授 (10200130)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 運動器検診 / 小中学生 / 運動器機能障害 / 縦断的評価 / Covid19禍 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では小中学生の運動器機能障害の縦断的評価を行うことを目標として実施している。これまで研究を続けてきたことにより継続して現時点で7年間の実績を集めることができている。2016年度から継続して実施している研究であり、小学生1年生が中学校1年生になるまでのデータが積み重なったこととなる。2023年度も検診を実施することができることにより8年間となり、さらに最終目標である小中一貫した9年間のデータが来年度には獲得できることとなる。 2022年度はプログラム介入の実施ができなかった。そのため、これまでのデータを縦断的に整理し、個々の成長発育の状況を部分的に確認するにとどまった。しかしながら、これらの実績を利用してCOVID-19感染による影響を比較することができた。その結果、2020、2021、2022年度それぞれ20,634、21,250、21,863名の質問票を検討したところ、年間受傷率は、それぞれ8.8%、8.9%、7.7%であり2022年検診結果(2021年度に発生した運動器傷害)は感染拡大以前より少ない傾向にあった。COVID-19感染禍においては運動量の減少のためか、特にスポーツ傷害と言われる疲労骨折、野球肘、腰椎分離症の発症がおさえられており、との関連が示唆される結果が得られた。(今後感染が沈静化した際の動向を検討する必要がある) 本研究では、機能改善にむけたプログラムを学校にて実施することを検討していたが、2022年度はCovid19禍のため、大きなプログラムは実施できなかったものの、単発で学校を訪れ情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19感染の影響により運動器検診実施自体がスムーズに実施できなかった。特に2022年度当初は実施が遅れるとともに、介入に際して、時間、タイミング、接触程度など大きな制約があり、予定していたプログラムの遂行は困難であった。本研究の最大の目標は、連続して経過観察することであったため、学校側にも強くお願いして、検診の中でも厳密に行う全身全員検査、各種運動器機能お計測までは行うことができた。 しかしながら、本来予定していた運動器機能改善のためのプログラム、その後、介入に伴う運動器機能の推移に関しては研究を遂行することができなかった。 2023年度は学校側と協議しながら介入の影響を確認することができそうな流れとなっており、感染の影響を十分に確認しながら、安全かつ合理的な介入を実施していく予定となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
縦断研究であるため、中途での実施が途絶えてしまうと研究の意図が半減してしまう。COVID-19感染拡大の最中に何とか継続して研究が持続していることは大きな意義があると思われる。そのため、今後も学校側と慎重に協議を交えながら、縦断研究ができるように字視していく。 さらに、縦断的に評価を続けている利点として、COVID-19感染の影響を感染前と感染中、感染後とフェーズが変わっていく中の変化をとらえることができる環境になっている。慎重に研究を進めていくことにより、当初の予定だけでなく、運動量が落ちてしまったことによる子どもたちの運動器の影響を調査することができそうである。そのため、計測手段や方法を新たに検討しており、今後の研究に生かしていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
本年度は予定していた運動プログラムを実施することができなかった。学会での情報収集、学校との連絡協議会、学校での検診、運動器プログラムの充実についての講演程度にとどまった。そのため2023年度より引き続きプログラムを再開するための準備期間となってしまった。2023年度は2022年度プログラムができなかった分、プログラム回数を広げるとともに、計測方法や手法を変えて、機器を用いた計測を充実させることとしている。予算に関してはそちらの準備にも使用したいと計画している。
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