2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K11642
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
崎原 ことえ 帝京大学, 医療技術学部, 准教授 (40423115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 真澄 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的・発達障害研究部, 客員研究員 (70203198)
奥住 秀之 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70280774)
中村 みほ 名古屋学芸大学, ヒューマンケア学部, 教授 (70291945)
北 洋輔 慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (90627978)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 適応的歩行障害 / 歩行調節機能 / 発達性協調運動障害 / 自閉症スペクトラム障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
健常成人,健常小児を対象として歩行動作計測・解析を行った.両下肢の計7カ所(仙骨,上腿,下腿,足の甲)にワイヤレス慣性センサー(MVN ,Xsens社)を装着後,被験者ごとに体寸法に基づいたアバターを作成した.被験者は一定の任意速度で直線17mを往復し,その間の歩行動作を3D計測した.歩行路の往路を歩行前半,復路を歩行後半として,歩行前半と歩行後半の間は一旦停止してから方向転換した.歩行解析では,歩行前半と歩行後半の歩行開始直後と歩行停止直前の歩幅3歩を解析から除外した約10mについて慣性センサーの座標データから歩行比(歩幅/歩行率)を解析対象とした.歩行中の視覚刺激では照度を遮光メガネによって高い照度から低い照度へと順に変化させた.狭範囲照度条件(4lux~約300lux)と広範囲照度条件(2lux~約700lux)との2種類を設定した.視覚刺激条件と歩行比の関係は回帰分析,歩行比の歩行前半と歩行後半との比較はWilcoxonの符号付き順位検定を行った.健常成人および健常小児にて,いずれも視覚情報量(照度)が低下すると歩行比が徐々に低下する順番効果をみとめ,歩行が視覚情報に適応すると考えられた.また,視覚情報量(照度)が約2倍になると,健常小児では順番効果が消失し,このことから小児は歩行が適応できる視覚情報量に上限があり,歩行の視覚刺激への適応機能は発達の影響を受けることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
成人と小児では有効な視覚刺激条件が異なることが明らかになり,成人と小児のいずれにも適応できる視覚刺激条件を設定するために時間を要した.
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Strategy for Future Research Activity |
健常成人,健常小児で対象者数を増やす.
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Causes of Carryover |
研究予定よりも実施が遅れているため次年度使用額が生じた.次年度は初年度に予定していた備品の購入に使用予定である.
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