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2023 Fiscal Year Research-status Report

フィールドワークを用いた「文化遺産としての武道」の実態解明:古武道を事例として

Research Project

Project/Area Number 22K11650
Research InstitutionIbaraki University

Principal Investigator

中嶋 哲也  茨城大学, 教育学部, 准教授 (30613921)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小山 隆秀  弘前大学, 大学院地域社会研究科, 客員研究員 (00898124)
足立 賢二  宝塚医療大学, 保健医療学部, 准教授 (40620654)
田邊 元  富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 講師 (40758588)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords古武道 / 無形文化財 / 体位の向上 / オリンピック / 失伝 / 少子高齢化 / 武道ツーリズム / 文明化の過程
Outline of Annual Research Achievements

本年度の研究実績として、代表者の中嶋哲也が8月に日本体育・スポーツ哲学会のシンポジウムに登壇し、新陰流の指導法が現代のスポーツコーチングにどのような示唆を与えるのかを報告した。同シンポジウムの報告書は次年度(2024年度)の同学会発行の学会誌に掲載予定である。また中嶋は2本の査読付き論文を提出した。1つ目は日本スポーツ社会学会へ「文明化の過程における日本武道についての試論」(『スポーツ社会学研究』32巻1号,2024年3月)であり、2つ目に、一橋大学スポーツ科学研究室が発行する『一橋大学スポーツ研究』第41巻に「戦後日本における古武道界の再構築 : 1945 ~ 67年を中心に」と題する論文を発表した。
分担研究者の足立賢二は6月3日に開催された日本文化人類学会第54回研究大会にて「「失伝」の研究:家元制下の古武道を事例として」と題した研究発表を行った。また、小山隆秀は5月3日に発行された、『武道ツーリズム実践ガイドブック』(月刊「秘伝」武道ツーリズム研究班編,BABジャパン)へ企画・制作協力を行い、さらに5月11日に発行されたDVD『武の聖地 青森弘前 武術体験の旅 GOTO武術旅』(月刊「秘伝」編集部武道ツーリズム研究所編,BABジャパン)では監修を担当した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度発表した古武道の戦後史に関する論文は昨年度中には仕上げておきたかったものであった。また、本年度計画していた古武道専門誌の編集者へのインタビューも敢行できなかった。一方で、高橋賢氏への聞き取り調査は概ね上手く進んだ。最終年度に持ち越す研究計画が多いことは懸念されるが、他方で、本年度の後半には現代の古武道の実態を把握する上で有用とみられる「シリアス・レジャー」という社会学の概念を知ることができた。研究計画の進捗が遅れている原因の一つに現代の古武道の実態を上手く把握できていなかったことがあり、それ故に個々の調査を体系的に位置づけられず研究の方向性が定まらない時期が長く続いた。しかし、今後はシリアス・レジャーの観点から古武道の実態を調査し成果をあげられるものと考えている。また、日本スポーツ社会学会の学会誌へ寄稿した論文も当初、執筆予定にはなかったが、古武道がいかなる意味で遺産足り得るかを考える機会となった。すなわち、暴力の無力化である。現代もまた暴力の絶えない時代であるが、こうした時代に対して、暴力をいかに封じることができるのか、その示唆を武道から得ることができるのではないかと考えられる。

Strategy for Future Research Activity

今後は、まず無形文化財化に向けた1980年代以降の古武道界の動向を歴史学的にまとめつつ、各人がどのように古武道の稽古会が開催されているのか、その時間と場所を調査し、さらに稽古に集う人々への聞き取りからどのような目的で稽古に参加しているのかなど情報収集し、またどのように稽古しているのかを参与観察する予定である。いわば、古武道界というジャンル総体がどのように存在意義を形成しつつあるのか、という課題とともに、古武道を実践している各人がどのような意義を認めて古武道の稽古に参加しているのかといった個別の理由の把握に調査を集中したい。特に後者の課題に取り組むにあたって「シリアス・レジャー」(真剣に取り組む余暇)概念を基に検討を進める予定である。また、12月にはそうした調査結果を基にシンポジウムを開催する予定である。

Causes of Carryover

足立賢二については、当該年度の調査で高橋賢氏への聞き取りの文字起こしに注力した結果、広報文化外交における古武道についての研究論文を完成させるための時間が取れず、そのための費用が余ってしまった。次年度においてこれは使用する予定である。田邊元は沖縄空手のフィールドワークを展開しているが、こちらも調査旅程を都合することが難しく、次年度以降、次年度使用額を用いてフィールドワークの回数を増やす方向で調整中である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2024 2023

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] 文明化の過程における日本武道についての試論2024

    • Author(s)
      中嶋哲也
    • Journal Title

      スポーツ社会学研究

      Volume: 32 Pages: 5-23

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 戦後日本における古武道界の再構築 : 1945 ~ 67年を中心に2024

    • Author(s)
      中嶋哲也
    • Journal Title

      一橋大学スポーツ研究

      Volume: 41 Pages: 31-48

    • DOI

      10.15057/82990

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] “なに”がコーチングするのか?―新陰流における「奇妙」の解明に向けた復元稽古を事例に―2023

    • Author(s)
      中嶋哲也
    • Organizer
      日本体育・スポーツ哲学会
    • Invited
  • [Presentation] 「失伝」の研究:家元制下の古武道を事例として2023

    • Author(s)
      足立賢二
    • Organizer
      日本文化人類学会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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