2022 Fiscal Year Research-status Report
運動学習における誤差情報への意識の向け方が学習成立に及ぼす影響
Project/Area Number |
22K11657
|
Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
角 友起 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 准教授 (50551363)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | サッケード適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の運動の正確性を保つ脳のしくみとして、運動学習がある。運動学習には運動の誤差の情報が不可欠であり、誤差の入力によって運動神経回路の可塑性が発揮されて学習が起こるとされている。一方、誤差情報は運動の失敗を示すことから、運動学習が生じる際は感情、意識、意欲など様々な高次脳機能が働いているはずであるが、それらが学習にどのように関与するのかは不明な点が多い。本研究では、ヒトにおけるサッケード適応の成否と誤差に対する空間的注意との関係を明らかにすることを目的とする。令和4年度は実験環境整備のため、サッケード記録のための高速眼球運動測定装置、実験プログラム構築用のソフトウェア、実験データ解析用ソフトウェアの選定を行いつつ、実験プログラムの構築作業を実施した。実験課題ではサッケード運動中に視覚目標の位置を移動させるイントラサッカーディックステップパラダイム(ISSパラダイム)を用いるため、視覚目標追跡タスク実行中のサッケードイベント抽出、イベントをトリガーとして視覚ターゲットの位置をコントロールする基本プログラムの設計、実装について検討を行った。令和4年度中には眼球運動測定装置のセットアップが完全には整わなかったため、令和5年度は早々にセットアップを完了させ、 ISS によって目標をずらして視覚誤差を与えるとともに、注意を分散させる効果を持つ視覚刺激を呈示する ISS+ディストラクター呈示課題を用いた実験を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究機関における実験環境整備、具体的には高速眼球運動測定装置、実験プログラム構築用のソフトウェア、実験データ解析用ソフトウェアの選定および導入作業が完了せず、実際の実験データを取るに至らなかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度早々に研究環境の整備を完了させ、ペースを上げて研究を進めていく。
|
Causes of Carryover |
令和4年度内に高速眼球運動測定装置、実験プログラム構築ソフトウェア、実験データ解析ソフトウェアの選定検討を進めてきたが、実際に購入・支払いに至らなかったため、年度内に使用する予定であった予算は次年度に繰り越した。
|