2023 Fiscal Year Research-status Report
体育の授業におけるICTを活用した身体情報可視化の試み
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22K11659
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
宍戸 隆之 東北学院大学, 人間科学部, 教授 (40331962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋元 真央 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (80804153)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 体育 / ICT / SPLYZA motion / 運動有能感 / 形成的授業評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、国公立小学校2校、公立中学校1校、義務教育学校1校にて、体育の実践授業を行うことができた。6年生3クラスを対象として走り幅跳びを、4年生5クラス、中学校2年生7クラス、義務教育学校7年生1クラスを対象として跳び箱運動の単元において実施した。対象の全ての単元において、マーカーレス動作分析アプリSPLYZA motionを用いて、技能習得及び動作改善のために、スティックピクチャーによる動作の表示や2画面比較による動作の比較等を通して、児童・生徒の気づきを促す試みを行った。 単元前には、診断的授業評価、運動有能感の質問紙調査を実施し、毎授業後には、形成的授業評価の質問紙調査を実施し、単元後には、総括的授業評価及び運動有能感の質問紙調査を実施した。また、5年生3クラスの走り幅跳びについては、授業前後に記録の測定も行った。さらに、各学校の授業担当教諭が準備した学習カードやLoiLoNoteを通して、授業の振り返りを記述してもらい、その記述内容についても分析の対象とした。 現在までに、全てのデータ処理は済んでいないが、走り幅跳びの授業実践においては、授業前後の記録に有意な向上が認められた。授業時間内に動作撮影や動作解析、また、これらの動画や動作解析結果を基にした児童間の教え合いに時間を要したが、練習時間が少なくなっても、有意な記録の向上が認められたことは、授業成果として挙げられる。なお、この研究の詳細(Incorporating the AI-based Marker less Motion Capture Analysis app in Elementary School Athletics Long Jump Unit)は、2024年9月にイギリスで開催されるBERA Conference 2024 and WERA Focal Meetingにて発表する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、学校現場の体育授業の実践を通して行われる研究であるが、2023年度に実践の協力を依頼していた全ての小中学校で実践することができたため、順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、2023年度に実施した実践研究で得られたデータの分析とその授業成果について論文にまとめることが主な研究となる。特に児童・生徒が記述した振り返りの内容については、児童・生徒が教え合い学び合う様子や技能獲得のための気づきが認められているので、その詳細を分析する予定である。
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Causes of Carryover |
2023年度は、学校現場4校での体育の授業実践が順調に進んだため、データを収集する所までしか研究が進捗しておらず、そのデータをまとめるために必要な人件費や謝金が発生することがなかったため、残額が生じた。2024年度は、データが膨大であるため、その整理や処理を行うための人件費や謝金として使用する計画である。
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