2022 Fiscal Year Research-status Report
特別支援学校(知的障害)の体育授業の困難さを解決する授業コンサルテーションの開発
Project/Area Number |
22K11687
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
村井 敬太郎 日本体育大学, 体育学部, 准教授 (10755987)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 特別支援学校(知的障害) / 体育授業 / 授業コンサルテーション / 困難さ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,特別支援学校(知的障害)の体育授業の困難さを解決するための外部専門家による授業コンサルテーション方法を開発するものである.その構成は,研究1「特別支援学校(知的障害)の体育授業を実践する上で必要な事項の『実施度』『実施困難度』から困難さの実態の解明」,研究2「特別支援学校(知的障害)の体育授業に対する教員の実践に関する困難さの意識構造の解明」,研究3「特別支援学校(知的障害)体育授業の困難さの解決に向けた授業コンサルテーション方法の開発」,研究4「授業コンサルテーション方法を用いた実践とその効果検証」である. 令和4年度は,研究1「特別支援学校(知的障害)の体育授業を実践する上で必要な事項の『実施度』『実施困難度』から困難さの実態の解明」を行うために,全国の全ての国公私立特別支援学校(知的障害)の体育主任を対象に体育授業を実践する上で必要な事柄と考える「子どもの実態把握」「指導目標の設定」「指導内容の設定」「子どもへの具体的支援」「学習評価」「チームティーチングの状況」「授業改善」「学習環境」「知的障害に関する専門性」「学習指導要領の活用」についての郵送による質問紙調査を行い,実施度と実施困難度の違いから実施困難の要因を明らかにすることを計画していた. しかし,先行研究を踏まえて暫定的調査用紙を作成し特別支援学校(知的障害)の体育授業主担当教員(経験者を含む)に予備調査を行ったところ,予備調査に協力してくださった方から「質問項目が多すぎること」「同じような内容の質問項目があること」「実施度と実施困難度の違いが分かりにくいこと」「回答の仕方が難しい」等の指摘を受けた.このことから再度調査用紙の作成が必要となり,令和4年度中の郵送による質問紙調査が実現が難しい状況となってしまった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究1「特別支援学校(知的障害)の体育授業を実践する上で必要な事項の『実施度』『実施困難度』から困難さの実態の解明」について,本来ならば令和4年度中に質問紙調査を終えて研究データ分析及び考察を行い、論文執筆しなければならないものである.しかし,新型コロナウイルス感染症蔓延による現所属機関の業務多忙化の影響があるものの,先行研究を踏まえて暫定的調査用紙を作成し特別支援学校(知的障害)の体育授業主担当教員(経験者を含む)に予備調査を行ったが,予備調査に協力してくださった方から「質問項目が多すぎること」「同じような内容の質問項目があること」「実施度と実施困難度の違いが分かりにくいこと」「回答の仕方が難しい」等の指摘を受けた.このことから再度調査用紙の作成が必要となり,令和4年度中の郵送による質問紙調査が実現が難しい状況となっている.このことから当初の計画に従って取り組むことが難しい状況となっているが,予備調査の結果を踏まえて早急に調査用紙を作成し,令和5年度中に調査を実施することができるように準備を整えたいと考える. また,令和5年度に実施予定の研究2「特別支援学校(知的障害)の体育授業に対する教員の実践に関する困難さの意識構造の解明」については,申請者が以前行った研究及び先行研究を踏まえて調査用紙を作成しているところである.
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度中に実施予定であった,研究1「特別支援学校(知的障害)の体育授業を実践する上で必要な事項の『実施度』『実施困難度』から困難さの実態の解明」について,令和4年度の予備調査の結果を踏まえて早急に調査用紙を作成し,令和5年度中に調査を実施することができるように準備を整えたいと考える. 令和5年度に実施予定である,研究2「特別支援学校(知的障害)の体育授業に対する教員の実践に関する困難さの意識構造の解明」についても,申請者が以前行った研究及び先行研究を踏まえて調査用紙を作成し,ある県の全ての国公私立特別支援学校(知的障害)の管理職,養護教諭,栄養教諭を除く全教員を対象に特別支援学校(知的障害)の体育主任を対象に,体育授業を実践する上で必要な事柄と考える「子どもの実態把握」「指導目標の設定」「指導内容の設定」「子どもへの具体的支援」「学習評価」「チームティーチングの状況」「授業改善」「学習環境」「知的障害に関する専門性」「学習指導要領の活用」等に対する困難さについて郵送による質問紙調査を実施したいと考える.しかし,質問項目数は十分に検討し、調査に協力してくださる方に過度な負担とならないように留意し,令和5年度内には研究データの収集と分析を終了したいと考える.しかし,最近の学校教員の業務多忙化を考えると、学校によっては郵送による質問紙調査の実施が困難であることが懸念されることから,質問項目は大きく変えないものの,対象者数を限定して半構造化面接等を用いた質的研究法により研究データを収集して分析し,論文化することも検討したいと考える.
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Causes of Carryover |
特別支援学校(知的障害)の体育授業に関する情報収集のため,学術会議と特別支援学校(知的障害)の公開研究会や授業研究会等への参加,文献購入等が必要になることから,それに伴う旅費や参加費,物品費等が必要となる. また,本研究の実施に係る調査用紙の郵送及び回収,研究データの集計等を外部専門業者に委託することからその費用が必要となる. さらに,研究データの分析、論文執筆にあたり,現在使用しているパソコンやプリンターでは対応が難しいことから,高性能パソコンやタブレット端末、カラープリンター等を購入する必要がある. これらのことに助成金を有効に活用したいと考えている.
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