2023 Fiscal Year Research-status Report
特別支援学校(知的障害)の体育授業の困難さを解決する授業コンサルテーションの開発
Project/Area Number |
22K11687
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
村井 敬太郎 日本体育大学, 体育学部, 准教授 (10755987)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 特別支援学校(知的障害) / 体育授業 / 困難さ / コンサルテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,特別支援学校(知的障害)の体育授業の困難さを改善するための授業コンサルテーション方法を開発するものである.研究1「特別支援学校(知的障害)の体育授業を実践する上で必要な事項の『実施度』『実施困難度』から困難さの実態の解明」,研究2「特別支援学校(知的障害)の体育授業に対する教員の実践に関する困難さの意識構造の解明」,研究3「特別支援学校(知的障害)体育授業の困難さの解決に向けた授業コンサルテーション方法の開発」,研究4「授業コンサルテーション方法を用いた実践とその効果検証」で構成されている. 令和5年度について,研究2では全国の複数学部を設置する国公私立特別支援学校(知的障害)の体育主任を対象に,「実態把握と指導目標の設定」「指導内容の設定」「子どもへの適切な支援」「学習評価と授業改善」「チームティーチング」の実施の困難さに関する質問紙調査を行った.518校に送付して191校から回答を得て(回収率36.9%)、有効回答率は34.7%であった.現在,データの単純集計を終了し、学校の属性との関連を分析中である. 研究3では,先行研究を参考に体育授業コンサルテーション方法(試案)を開発し,研究協力校においてこの作成した方法が妥当であるかを検証しているところである. 研究1については,令和5年度に実施度と実施困難度の違いから実施困難の要因を明らかにすることを計画していたが,予備調査において特別支援学校(知的障害)の体育授業主担当教員(経験者を含む)から,「質問項目が多すぎること」「同じような内容の質問項目があること」「実施度と実施困難度の違いが分かりにくいこと」「回答の仕方が難しい」等の指摘を受けた.このことから再度調査用紙の作成が必要となり,令和5年度中の質問紙調査が難しい状況となっていることから,令和6年度以降に視点を再度整理した上で実施する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究1「特別支援学校(知的障害)の体育授業を実践する上で必要な事項の『実施度』『実施困難度』から困難さの実態の解明」について,本来ならば令和5年度末までに質問紙調査を終えて研究データ分析及び考察を行い、論文執筆に取り掛かるべきものであるが,先行研究を踏まえて暫定的調査用紙を作成して予備調査を行った結果,「質問項目が多すぎること」「同じような内容の質問項目があること」「実施度と実施困難度の違いが分かりにくいこと」「回答の仕方が難しい」等の指摘を受けた.このことから再度調査用紙の作成が必要となり,令和5年度中の質問紙調査が難しい状況となったことから,令和6年度以降に視点を整理した上で取り組む必要がある. 研究2については,全国の複数学部を設置する国公私立特別支援学校(知的障害)の体育主任を対象に,「実態把握と指導目標の設定」「指導内容の設定」「子どもへの適切な支援」「学習評価と授業改善」「チームティーチング」の実施に関する困難さの質問紙調査を行った.今後は学校の属性と体育主任から見た困難さの関連について分析する予定である. 研究3については,先行研究を踏まえて体育授業コンサルテーション方法(試案)を開発し,研究協力校1校において,この方法が妥当であるかの検証をスタートしたところである.
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Strategy for Future Research Activity |
研究1「特別支援学校(知的障害)の体育授業を実践する上で必要な事項の『実施度』『実施困難度』から困難さの実態の解明」について,本来ならば令和5年度末までに質問紙調査を終えて研究データ分析及び考察を行い、論文執筆に取り掛かるべきものであるが,先行研究を踏まえて暫定的調査用紙を作成して予備調査を行った結果「質問項目が多すぎること」「同じような内容の質問項目があること」「実施度と実施困難度の違いが分かりにくいこと」「回答の仕方が難しい」等の指摘を受けた.このことから,このことから再度調査用紙の作成が必要となったことから,令和6年度以降には少し視点を変えて取り組む予定である. 研究2「特別支援学校(知的障害)の体育授業に対する教員の実践に関する困難さの意識構造の解明」については,全国の複数学部を設置する国公私立特別支援学校(知的障害)の体育主任を対象に,「実態把握と指導目標の設定」「指導内容の設定」「子どもへの適切な支援」「学習評価と授業改善」「チームティーチング」の実施に関する困難さの質問紙調査とデータの単純集計を終えたことから,今後は学校の属性と困難さの関連について分析し論文執筆につなげていきたいと考えている. 研究3については,先行研究を参考に体育授業コンサルテーション方法(試案)を開発し,研究協力校1校において,この方法が妥当であるかの検証をスタートしたところであるので、令和6年度末まで継続して取り組む予定である.
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Causes of Carryover |
特別支援学校(知的障害)の体育授業に関する情報収集及び論文執筆,研究発表のため,学術会議と特別支援学校(知的障害)の公開研究会や授業研究会等への参加,文献購入等が必要なことから,それに伴う旅費や参加費,物品費等に助成金を活用したい.また,本研究の実施に係る調査用紙の郵送及び回収,研究データの集計等を外部専門業者に委託することや研究協力校への交通費等の費用が必要となることから、これらにも助成金を有効に活用したいと考えている.
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