2023 Fiscal Year Research-status Report
Intestinal homeostasis and the mechanism of food allergy
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22K11731
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
春里 暁人 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30434509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SEO WOOSEOK 名古屋大学, 医学系研究科, 特任准教授 (40574116)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 食物アレルギー / サイトカイン / ナノ/マイクロプラスチック / IL-36 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度には、OVA誘導性マウス食物アレルギーモデルを用いて3ヶ月間に渡る食品乳化剤の投与により食物アレルギーの症候である低体温や下痢症状が著明に増悪すること、その増悪にIL-4, IL-5, IL-13, IL-33といった2型サイトカインの誘導が関連していること、特にポリソルベート80の投与により腸内細菌叢の構成が大きく変化することを明らかにし論文報告した。また、食品乳化剤投与による食物アレルギー増悪機序に腸内細菌叢が関与していることを明らかにした。さらに、本論文の中で食物アレルギーの病態において、IL-36リガンドの一つであるIL-36gammaが関与していることを世界で初めて見出し、この点について現在検討を進めている。また本課題では、深刻な環境問題となっているナノ/マイクロプラスチックの腸管免疫環境への影響に関する研究を実施した。これまで単一形状のポリスチレンビーズを高用量投与した研究が数多く報告されていることが懸念されていたため、本研究では、ポリエチレンテレフタラート素材からナノ/マイクロプラスチック発生メカニズムを再現し作製したナノ/マイクロプラスチックをマウスに低用量で投与することで、腸管の組織、免疫恒常性と腸内細菌に及ぼす影響について解析し論文報告した。低用量の微細化マイクロプラスチックは、腸管において樹状細胞やT細胞といった炎症に関連する免疫細胞の浸潤を誘導しなかった。一方で、免疫細胞のRNAシークエンス解析では低用量の微細化マイクロプラスチックの投与により、酸化的リン酸化といった代謝経路の変化が観察され、16s rRNAメタゲノム解析で腸内細菌叢はごく軽度の変化を示していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
OVA誘導性マウス食物アレルギーモデルを用いた食品乳化剤の長期影響については論文報告し、ナノ/マイクロプラスチックの腸管免疫環境への影響に関する研究とその方法についても論文報告している。
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Strategy for Future Research Activity |
OVA誘導性マウス食物アレルギーモデルと遺伝子改変マウスを用いて、アレルギー病態において、特にサイトカインの果たす役割について引き続き研究を進展させる。
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Causes of Carryover |
遺伝子改変マウスの繁殖に時間を必要としたため、その後の凍結杯搬入から交配に時間を要し、予定していた実験を一部繰り越した。残額の409,842円と合わせて次年度に遺伝子改変マウスを用いた解析を行う予定である。
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