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2023 Fiscal Year Research-status Report

心臓アンチエイジング薬の開発を目指したヒトiPS細胞由来老化心筋モデルの構築

Research Project

Project/Area Number 22K11733
Research InstitutionThe University of Kitakyushu

Principal Investigator

日高 京子  北九州市立大学, 基盤教育センター, 教授 (00216681)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 大野 みずき  九州大学, 医学研究院, 助教 (70380524)
岡 素雅子  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (80467894)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
Keywords老化 / 幹細胞 / 酸化ストレス / 心臓
Outline of Annual Research Achievements

細胞の老化は、持続的なDNA損傷応答によって進行し、不可逆的な細胞周期の停止や炎症性サイトカインなど のSASPの発現を伴い、組織や個体の老化の原因となっているが、心臓の心筋細胞は発生後まもなく分裂を停止し、心筋の細胞レベルの老化についてはまだ不明な部分も多い。二年目は一年目の課題であった、(1)ヒトiPS細胞(hiPSC)の心筋細胞(CM)への分化誘導条件の最適化、および分化心筋細胞(hiPSC-CM)の増殖を試みた。公表されたプロトコルにより基づき実験を行ったところ、ある程度分裂する能力を残した心筋細胞を得ることができた。培養を続けたところ、老化細胞の指標の一つである、SA-b-galactosidase陽性細胞が生じており、今後、老化誘導系の出発材料として利用することが期待できた。一方、(2)外来性のストレスによる老化誘導を行うため、抗がん剤としても知られるDoxorubicin添加による予備的実験を進めたほか、(3)遺伝子操作により、老化誘導のためのストレスを制御できるいくつかの細胞株の構築を試みた。ひとつはミトコンドリア呼吸鎖の変異サブユニットをTet-On誘導により発現させるもので、昨年報告した系の改良版である。このほかに、同じくTet-On誘導系によりテロメアに酸化ストレスやテロメア切断を生じさせる細胞の構築に取り組んだ。最後に、視点を変えて、(4)DNA修復能を欠損した変異マウスの心臓のゲノム解析を行ったところ、酸化ダメージに特徴的なG>T変異をよく蓄積しており、心臓の機能に変化をもたらす可能性のある変異も見つかった。これが心臓の老化にどのように関わるかはこれからの課題であるが、小腸における体細胞変異についてはがん化と深く関連していることが分かり、それについては論文にまとめて報告を行ったところである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

心筋への分化誘導・分化心筋細胞の増殖など、研究遂行のための準備は整ってきたが、外的・内的ストレスにより、hiPSC-CMに老化を誘導するという、本研究における肝心な部分が若干遅れている。(1)外的ストレスについては、薬剤添加による亜致死損傷により老化を誘導しようとしているところであるが、添加条件等、まだまだ改良すべき点が多い。(2)内的ストレスについては、細胞構築のためのプラスミド等を順調に準備することができたが、導入細胞の確認と解析については現在進行中である。

Strategy for Future Research Activity

昨年度の成果として、分化誘導・増殖の系を見直すことにより、安定的に出発材料(hiPSC-CM)を得ることが可能となった。この細胞を利用して、(1)hiPSC-CMのさらなるキャラクタリゼーション、細胞周期や老化マーカーの発現に影響しうるファクターについて解析を進めたい。また、(2)hiPSC-CMが低いながらも分裂能を有していることから、外的ストレスによる老化誘導条件をあらためて見直す必要がある。これと並行して、(3)内的ストレス(ROS、テロメア酸化、テロメア切断)を誘導できる細胞株の解析を引き続き行うことによって、hiPSC-CMを劇的に老化誘導させる系を構築したい。一方で、(4)siRNAを用いたノックダウン系により体細胞ゲノム変異の老化への影響も調べてみたいと考えている。

Causes of Carryover

初年度は次世代シークエンス(NGS)解析の分を計上していたが、今年度もサンプルの準備が間に合わなかった。できれば次年度に使用したいと考えている。

  • Research Products

    (6 results)

All 2024 2023

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (5 results)

  • [Journal Article] Oxidative stress accelerates intestinal tumorigenesis by enhancing 8-oxoguanine-mediated mutagenesis in MUTYH-deficient mice2024

    • Author(s)
      Ohno Mizuki、Takano Noriko、Hidaka Kyoko、Sasaki Fumiko、Yamauchi Kazumi、Aoki Yasunobu、Nohmi Takehiko、Nakabeppu Yusaku、Nakatsu Yoshimichi、Tsuzuki Teruhisa
    • Journal Title

      Genome Research

      Volume: 34 Pages: 47~56

    • DOI

      10.1101/gr.278326.123

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] rpsL-Tg/Msh2 欠損マウスを用いた体細胞突然変異解析:NGS 解析との比較2023

    • Author(s)
      鷹野典子,日高京子,青木康展,能美健彦,中津可道,續輝久,大野みずき
    • Organizer
      日本環境変原ゲノム学会第52回大会
  • [Presentation] DNA 修復欠損マウスを利用した心臓老化関連変異の探索2023

    • Author(s)
      日高京子,岡寿雅子,鷹野典子,李鍾國,大野みずき
    • Organizer
      日本環境変原ゲノム学会第52回大会
  • [Presentation] 酸化ストレスはDNAミスマッチ修復機構欠損マウスのゲノム中のShort Tandem Repeat (STR) 配列での変異を増加させる2023

    • Author(s)
      鷹野典子,日高京子,佐々木史子,中津可道,續輝久,大野みずき
    • Organizer
      第46回日本生物学会年会
  • [Presentation] Developmental change of extracellular matrix composition -Implication for engineering of 3D cardiac tissue-2023

    • Author(s)
      Jieran Lyu, Jun Li, Kyoko Hidaka, Jong-Kook Lee
    • Organizer
      第46回日本生物学会年会
  • [Presentation] 内在性酸化ストレス制御ヒトiPS細胞を用いた心筋細胞老化モデルの樹立2023

    • Author(s)
      岡素雅子,李俊,王苑犁,鷹野典子,大野みずき,李鍾國,日高京子
    • Organizer
      第46回日本生物学会年会

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Published: 2024-12-25  

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