2022 Fiscal Year Research-status Report
健康寿命延伸に向けたレスベラトロールの「睡眠の質」と記憶の改善機構の解明
Project/Area Number |
22K11735
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
寺尾 晶 東海大学, 生物学部, 教授 (10451402)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | レスベラトロール / メリンジョ / ノンレム睡眠 / 睡眠の質 |
Outline of Annual Research Achievements |
健康寿命が延伸する社会の実現に向けての対策として、肥満を解消して生活習慣病の発症リスクを下げること、睡眠の質を高めることで心身の健康や記憶力などの認知機能を保つことは重要である。レスベラトロールは健康食品として、エネルギー消費の亢進による抗肥満作用や長寿遺伝子Sirt1の活性化と寿命延長の関係が注目されている。インドネシア原産植物のメリンジョは「生命の樹」と呼ばれ、その種子にはポリフェノールの一種であるレスベラトロールを多く含んでいる。本年度は、メリンジョ種子抽出物を食餌性に肥満させたマウスに与えることで睡眠の質に与える影響を検討し、以下の結果を得た。1)メリンジョ種子抽出物は食餌性肥満により影響を受けた以下の睡眠・覚醒パラメータ、即ち、短縮した睡眠・覚醒のエピソード、増加した睡眠・覚醒相の移行頻度、増加した短時間覚醒回数を回復させた。これに伴い、短くなったノンレム睡眠の連続性が戻ることで、睡眠の質が回復したと考えられた。2)メリンジョ種子抽出物により改善した睡眠・覚醒パラメータ全てに対して体重との相関係数を調べてところ、短時間覚醒が最も高い値を示した。このことから、食餌性肥満による睡眠の質の低下作用とメリンジョ種子抽出物による睡眠の質の改善作用は、短時間覚醒の発生回数をバロメータとすれば簡便に評価できると考えられる。本研究で得られた食餌性肥満マウスにおける睡眠・覚醒内容の変化は肥満症のヒトの睡眠・覚醒の特徴と類似していた。このことから、肥満モデルマウスを用いて行った睡眠・覚醒内容の評価は肥満症のヒトに十分外挿できると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
食餌性肥満マウスを用いた評価はルーチンで行っているため、計画通りに実験を進めることが出来た。しかしながら、睡眠解析が全て完了していないため、睡眠・覚醒構築に対する作用の詳細については次年度に持ち越しとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
老化促進モデルマウス(Senescence-Accelerated Mouse: SAM)は、老化度評点の加齢依存的な急速な増加を指標として確立されたマウス系統である。老化促進と短寿命を示すP系(prone)のうち、学習・記憶障害、概日リズム異常が特徴的なSAMP8マウスと正常老化を示すR系(resistant)のSAMR1マウスについて睡眠・覚醒の構築と概日リズムの評価を行うことで加齢性睡眠障害のモデルとしての特徴を明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
高脂肪食飼料の支出が想定よりも少なかったため、若干の未使用額が生じた。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Behavioral characteristics of dopamine D5 receptor knockout mice: locomotor activity, working memory, learning, and impulsivity-related behaviors2022
Author(s)
Sasamori H., Asakura T., Sugiura C., Bouchekioua Y., Nishitani N., Sato M., Yoshida T., Yamasaki M., Terao A., Watanabe M., Ohmura Y., and Yoshioka M.
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 12
Pages: 6014
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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