2022 Fiscal Year Annual Research Report
Aging-dependent conversion of nutrient intake and metabolic cycles from cellular to organ levels
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22K11742
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
康 宇鎮 筑波大学, 数理物質系, 研究員 (10647978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮戸 真美 別府大学, 食物栄養科学部, 教授 (00386252)
河野 菜摘子 明治大学, 農学部, 専任准教授 (00451691)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 栄養摂取 / クエン酸合成酵素 / 非ミトコンドリア型 / eTCA回路 / カルシウムオシレーション / 代謝サイクル / 細胞機能調節 / 加齢 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の体を作るあらゆる細胞は、ミトコンドリアを中心にエネルギー産生を行う。多くの細胞では、好気的条件下ではTricarboxylic acid (TCA)回路を使ったATP産生が行われる。したがって、この回路に異常が起こると体内でのATPの産生量が制御できなくなり、細胞機能の異常から、最終的には死に至る。TCA回路の律速酵素は「クエン酸合成酵素」であるが、この酵素に「非ミトコンドリア型」が存在することは知られていない。我々の研究から、非ミトコンドリア型クエン酸合成酵素(extra-mitochondrial citrate synthase, 以下eCS)が生体機能の調節に重要な役割を担っていることがわかったきた。さらに我々は、ミトコンドリア以外のオルガネラや細胞質を結ぶ非ミトコンドリア型のTCA回路(extra-mitochondrial TCA回路、以下eTCA回路)の存在を推測し、証明に取り組んでいる。 eCs遺伝子欠損マウスは興味深いことにマウスの遺伝的背景を黒色系統のC57BL/6にしたところ、eCs遺伝子欠損マウスは灰色を呈した。毛色を決定する遺伝子はすべて同定されたはずであるが、eCSは色素形成を調節しているタンパク質として働いている可能性が出てきた。そこで、マウスの背中の4種類の毛のうち2種類(AwlとZigzag)を比較したところ、eCs遺伝子欠損マウスでは明らかに含有されるメラニン色素の量が少なかった。そこで毛を回収し、抽出液中に含まれるメラニン色素の量を吸光度で測定したところ、有意な差がみられた。また、eCs遺伝子を欠損させた領域にはベータ-ガラクトシダーゼ(LacZ)遺伝子を挿入していたため、LacZ染色によってeCs遺伝子の発現領域を調べたところ、小脳の特定の神経細胞層にeCSの発現することがわかった。
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Research Products
(5 results)